MCNP-media cross network premium/RENSA

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音楽(Music)・映画(Cinema)・小説(Novel)・舞台(Play)…and...

出会いの連鎖-RENSA-を求めて。

メディアの旅人はあなたです。

<当サイトについて>



実際に観覧や体験したものを紹介していくスタイルになります。

映画・舞台・ライブ・イベント・メディアすべて原則ネタバレです。

それぞれのジャンルに沿って各作品ごとにスレッドを立てます。

観覧記録やセットリストなどを速報版で順次更新していきます。

その後の感想等は追記の形で更新していきます。


なお実際に発表されるセットリストとは表記が違う場合もあります。

基本的に実際の現場で記憶・メモしたデータがベースになります。

一部詳細不明なものはネット上の情報を参考にして補足します。

その他、誤記や表記ミスなどはその都度訂正していきます。



◆お知らせ◆


約20年前に始め、ここ数年サボっていた寺社仏閣めぐりを2017年より再開しました。

ひとまずライブ観覧やイベント参加の折には、最寄りの寺社を調べて参拝したりしています。


そのため寺社仏閣めぐりの記事が増えておりますが、すべてはメディアとのかかわりの延長線上にあるとの認識ですのでご理解ください。


ただ訪問先が多岐にわたるため、更新はかなり遅れております。
忘れたころに記事を追加していますが、更新日時は一応時系列のままになっていますので、新規記事として表示されないことをご了承ください。


リンク先としては<TRAVEL(WALK)>もしくは<PRAY(SHRINE/TEMPLE)>のテーマになっています。


よろしくお願いします。







なお、日々徒然やコラム等は、メインブログで更新しています。

 <「あ」…安倍なつみに端を発するエトセトラ > 更新再開しました。



明らかに当該記事と関係ないブログ等の宣伝目的のコメントについては管理人の判断で削除させていただきます。



「ズートピア2」 ※日本語吹替版

 “ZOOTOPIA 2”

   (2025/アメリカ/ウォルト・ディズニー・ジャパン)

 

 監督:ジャレド・ブッシュ バイロン・ハワード

 脚本:ジャレド・ブッシュ

 

 声の出演

 上戸彩 森川智之 下野紘 江口のりこ 山田涼介

 梅沢富美男 三宅健太 Dream Ami 高嶋政宏 水樹奈々

 

 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆

 

 

 ローソン・ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン7

 

 

「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」(2025/東映)

 

 監督:久慈悟郎

 原作:武田一義

 脚本:西村ジュンジ 武田一義

 

 声の出演

 板垣李光人 中村倫也 天野宏郷 藤井雄太

 茂木たかまさ 三上瑛士

 

 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆

 

 

 ローソン・ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン9

 

 

「ブルーボーイ事件」(2024/日活=KDDI)

 

 監督:飯塚花笑

 脚本:三浦毎生 加藤結子 飯塚花笑

 

 中川未悠 前原滉 中村中 イズミ・セクシー 渋川清彦

 安藤聖 岩谷健司 梅沢昌代 山中崇 安井順平 錦戸亮

 

 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆

 

 
 
 
 
実際にあった「ブルーボーイ事件」をベースに1960年代の日本における性差別の実態を描いていく社会派作品。
 
地元前橋がロケ地にもなっていることがあって、珍しく全国公開のタイミングで地元のミニシアターで公開された。
 
初週には監督による舞台挨拶回もあったけれど、結局タイミングを逸して上映最終週の週末に駆け込んだ。
ちなみにちょうどポイントが貯まっていたので無料鑑賞だった。
 
一部のメディアでも取り上げられた話題作だということもあってか、日曜昼前の上映回では久々に座席が半分近く埋まっていたのではないだろうか。
 
ヒロインを演じた中川未悠は新人で実際にトランスジェンダーでもあるとのこと。
 
LGBTのことは概念としては理解しているつもりだけれど、自分の周りにそういう対象の人はいなかったし、はるな愛などメディアで人気者になっていることで知るレベル。
 
むしろ実際に身近にそういう人たちがいたら、おそらく興味の対象として意識してしまって、その本質について考えることもないかもしれない。
 
それほど当たり前の男女という性別のみの社会で生活しているので理解しようという思考も生じないだろう。
 
1965年、東京五輪に沸く東京で警察はセックスワーカーの取り締まりに力を入れていたが、ブルーボーイと呼ばれる性別適合手術を受けた者たちは男性として扱われ、摘発の対象外となっていた。
 
警察としてはなんとか取り締まりたいこともあって、性別適合手術を積極的に行っていた赤城医師が優生保護法違反の罪で逮捕される。
 
争点は手術そのものが治療のためであるかどうかにあり、その証人としてかつて手術を受けて女性になったゲイのアー子が証言台に立つ。
 
しかしセックスワーカーとしての一面を追求する検察側の執拗な証人尋問に次第に追い詰められていくアー子は、さらなる偏見の中で暴力沙汰に巻き込まれ命を落とす。
 
一方弁護側の狩野弁護士もまた性別適合手術そのものが治療であるという争点から、当初は性転換は精神的な欠陥であると指摘するなど誤った方向性で迷走する。
 
女性として喫茶店で働きながら一緒に暮らすサラリーマンの恋人との生活を大事にしたいサチは、証人として裁判に臨むことを断るが、かつて共に働いたゲイ仲間やアー子との再会を経て、ついに証言台に立つことを決心するのだが…。
 
サチを演じた中川未悠の新人ながら存在感のある佇まいと周囲を固める演技派のキャストが相まって、法廷劇としても締まったドラマが構築できた。
 
特に時田検察役の安井順平の一貫した姿勢はあの時代の性差別の実情をよく表していたと思うし、狩野弁護士を演じた錦戸亮も戸惑いながらも現実と向き合う姿が印象に残った。
 
ちょうどこのタイミングでニュースとして「同性婚訴訟」について認めないことを合憲とする判決が11月28日に東京高裁で出た。
一般的には認めないのは違憲とする判決が優勢ではあるものの、現代においても引き続き法律的な問題が残る。
 
また優生保護法をめぐってはハンセン病の関連で国家賠償訴訟のニュースを目にした程度だったけれど、性差別の中でもその法律の是非が問われていたのは知らなかった。
 
オープニングで往年の日活のタイトルクレジット、作品の時代背景と合わせた演出がよい。
 
ラストはサチが求めるただ幸せに暮らしたいだけというメッセージが具現化される映像で終わる。
 
劇中のサチに心から「しあわせになってほしい」と思った。
 
前橋シネマハウス シアター0