前にあげた「お酒。」の続編となっております
そちらから、お読み下さい!!
最愛の彼女である由衣は今日は飲み会で遅くなる
と言っていた
ご飯は外で済ませてきたしお風呂に入って彼女の帰りを待とうと足を進める
寝る体勢が整った頃玄関からガチャっと音がした
「おかえり由衣」
「ただいまぁ〜理佐」
「珍しい、酔ってるね」
「んー?酔ってないよ?」
「演技だもん」
と可愛らしい言葉を口にする彼女に
「分かったから、リビング入ろ?」
と促すと、素直に頷き私の後ろをトコトコ歩く
「由衣、寝る準備出来る?」
「もう寝るの?」
「うん。明日もお仕事あるからね」
「まだ、理佐にしてない」
「ん?なにを?」
「仕返し」
「仕返し?」
「うん」
何か彼女に悪いことしたかな?と思考を巡らせるが思い当たるものはなく少々焦る
「その事考えてたらお酒飲み過ぎちゃった」
やはり飲み過ぎた自覚はあるようで最初は否定してたのになんて悠長なことを思っている場合ではなく
彼女をそこまでして追い詰める何かが私にあった訳で必死にその理由を探す
「ごめん。由衣のこと傷つけちゃった?」
結局考えても理由は浮かばず、彼女を嫌な気持ちにしたのは事実のため謝ることしか出来なかった
「あ、違う。そうじゃなくて」
「うん?」
「私が理佐に仕返ししたいのは、、彼女の自慢話」
「え?」
彼女の言った言葉が理解出来ず必死に紐解こうと
試みるが話は続いてたらしく彼女に向き直る
「この前、あかねん達とお家で飲んでた時さ」
「うん」
「彼女の自慢話を話してたじゃん」
「あー、あったねそんな事」
「皆が帰った後、理佐も急に私の自慢話してさ」
「え、嫌だった?」
「ううん。違くて、嬉しかったんだけど恥ずかしくて私だけ恥ずかしくなったのが嫌で理佐に仕返ししようって思ったの」
「それでお酒飲み過ぎちゃったの?」
「だって、面と向かって理佐に理佐の好きなとこ言うの恥ずかしいじゃん!」
「かわいいね、由衣ちゃん」
「笑わないで!あーもう。こんな予定じゃなかったのに理佐を照れさせようと思ったのに…」
傷つけた訳では無いと分かり安心するが彼女の可愛らしい仕返しにニヤニヤが止まらなくなった
「寝る準備してくる…」
洗面台に向かおうとする彼女を引き止める
「自慢話は?してくれないの?」
「酔いが醒めて来ちゃって無理」
「えー、聞きたいです」
「恥ずかしくて出来ません」
「お願い」
「…そういうのほんとズルい」
「だって知りたいじゃん。由衣が私の事どう思ってるのか」
彼女は大きく溜息を吐いてじゃあ、話すと言った
「理佐は周りのこと良く見えててすぐメンバーの変化に気づいて寄り添ってあげて、でもパフォーマンスになるとスイッチが入ったようにカッコよく表現出来るとこ凄いなって尊敬する」
「後は…」
「待って、まだあるの?」
「もしかして、照れてる?」
「いや、どうぞ。続けてください…」
想像より彼女の言葉がストレートでこんなの照れないはずがない
私の余裕のなさが垣間見えたのかさっきまでとは異なりニヤニヤしながら話を続ける彼女
「あかねん達が来た日、皆が苦にならないように振舞って私の些細な気持ちにも気づいてくれて
本当は理佐だってゆっかーとひかるとお買い物行くのヤキモチ妬いてたくせに何も言わなかったり
いつもなら下まで送っていくのに私のこと優先してくれたり
そんなとこ全部、好き。大好きだよ」
「う、ん、ありがとう」
「ふふ、理佐が照れてるー!仕返し成功だね」
彼女の言葉が仕返しと銘打って気持ちを伝えてくれたことが嬉しくて
でも、真っ直ぐ目を見て伝えてくるから恥ずかしくなって顔が赤くなったのが自分でもわかった
「由衣」
「ん?」
「大好き」
「私も理佐のこと大好き」
屈託なく笑う彼女に愛おしさが溢れてやまない
あの日、彼女の好きなところを言葉にした日
こんな可愛らしい仕返しがくるとは想像もしていなかった
彼女が言葉にしてくれたから、また私も言葉にして伝えよう
今度はお酒を飲んでいない時に
そしたら、また返ってくるだろう
それを何回でも繰り返して
終わることの無い愛を捧げようと心に誓ったのは
まだ、内緒にしておこう
おわり。