1年を終えて | 社会の窓まで ―飽くなき探求心―

社会の窓まで ―飽くなき探求心―

くだらないことに全力を注ぐ女、荒木麻由のロマンあふれる妄想全開突撃系ブログ
   
類稀なる発想力とバイタリティを遺憾なく発揮し、その真実にせまる!

 
11月から半年間つけていた願いを込めたミサンガが
準決勝の2日ほど前に切れた。
 
ミサンガは、時が満ちたら切れるものだという。
 
 
 

群馬の夏が終わって、はや一週間。

 
引きずってるという訳では無いけれど
まだ、切れたミサンガを眺めては思い出してる私がいる。
 
 
 
 
 
私がこの学校を応援して4年が経過した。
この代は、入学してくる時から知っている。
 
仲間内では
ファン待望の大型スラッガーとJAPAN捕手が来てくれるらしい!
なんて言って盛り上がってたんだよ。
 
蓋を開けたら、1年春からメンバーに入ってたりして
いつか必ずチームを牽引してくれる要になるって確信したもの。

あれがもう、3年も前なんだな…。
 
 
 
2018の新チームがはじまった8月。
 
三重の遠征を見に行ったら、みんな身体もちっちゃくてさ。
守備もミスだらけ、連携もミスだらけ
こんな所から始まるんだなーなんて思ったもんだよ。
 
これは誰?何くん?とか聞いたりしてさ。
 
 
何日か遠征を見たある日
「これから伊勢神宮参拝なんですけど一緒にどうですか」
「伊勢神宮参拝したら甲子園いけるジンクスあるんですよ」
なんて誘っていただいて
皆様と一緒に連れてってもらった。
 
私は恐縮しながら参拝してたんだけど
遠征中の保護者の皆様の会話を聞いたり
選手でも学校でもない、ほんとの裏方のサポートをみたんだ。
 
ほんと頭が下がるよ…。
 
応援しているってだけじゃない。
学校・選手・保護者の三竦みで成り立ってるチームだった。
 
これまでは選手は聖域だと思ってたけど
この日から、保護者も聖域の中の人だって認識を改めたんだ。
彼らは、彼らの第二の高校生活があるんだ、ってさ。
 
 
私は、健大高崎の野球や指導が好きで応援してる。
だから、夏が終わればまた秋が来るし、1からだし、次こそ、だし
ある意味指導者達と同じ時間軸を歩んでる。
 
だけど、選手や保護者たちは
たった1度のチーム、3年の夏は甲子園に、を願っているし
そして夏が終われば、別の道を歩んでいくもの。
 
全国制覇しよう!という目標は同じだけど
全く別の世界を生きているんだ、って。
 
この事実が心の琴線に触れることもあったっけな。
 
 
この学校にいる限られた時間を、少しでも楽しく過ごしてほしいと思った。
少しでも思い出を作ってほしいと願った。

だからこそこんな遠征があるんだと感じた。


1度だけ、練習試合のアナウンスをやらせてもらったことがある。 

そりゃ私はプロだから高校生と違うのは当たり前なんだけど
皆様にそれはもう喜んでもらえてさ。
少しだけ恩返しができた気がして嬉しかったな。
 
 
 
 
 
そういえばいつだったか、応援について話をしたことがある。
何も変わらない、なんて言われて
そんなことは無いって反論したんだ。
 
応援は選手の背を押すだけじゃない
本気の応援は相手を威圧することもできるし 
時に球場の空気さえかえられるものなんだ。
そんなものが勝敗を決めることだって稀じゃない。
 
だからただ盛り上がるだけじゃダメだし
声援が必要なんだって力説したんだよね(笑)
 
 
その気持ちが届いたのかは分からないけれど
健大高崎の応援は本当に変わったよ。
選手を助ける応援になったって、いろんな人が口々に言ってた。
 
春の大会で、選手達がワーワー言うようになったのもビックリしたし
応援の改善案をいろいろ考えているところを見た時なんて、心震えたもの(笑)
 
 
 
 
 
 
 本当に色んなことがあったね。
 
 
私は相変わらずついて行ってただけだったけど
いろんな人と触れ合って話をする中で
親の気持ちや子供の気持ちを少しづつ分けてもらえて
なんだか追体験しているような気持ちになれた。
 
親達は"保護者"じゃなくて
選手一人ひとりの、そしてみんなのサポーターだったよ。
 
 
 
 
 
 
仲間というものを知った一年だった。
仲間じゃないことを知った一年だった。
 
想いの強さをみた一年だった。
人の葛藤をみた一年だった。
チームの成長をみた一年だった。
 
あたたかさに触れた一年だった。
愛おしくて仕方がなかった一年だった。
 
 
本当は選手達と一緒に卒業できたらいいとさえ思う。
 
だけど
志半ばでやめるのは、私じゃないから。
そういうわけにもいかないんだ。
 
次の一年は、私に何を与えるんだろう。
 
 
 
高校野球が終わった皆様は
いまごろ、どんな気持ちで過ごしているんだろうか。
 
私にかけられる言葉はないけれど。
こんな風に、不意に月を見上げたりしてるのかな…。
 
 
 
願わくば、また。
 
今度は聖域の外の仲間として会いたいな。
 
 

試合には負けてしまったけれど
間違いなく、日本一の、最高のチームだったよ!

そうだよね?

 

この学校で出逢えた縁に感謝します。