クレームに対し、納得のいく解決策を提示するためには、まずあいまいなことをはっきりさせることが重要です。ただ、相手に対する質問はともすれば尋問や詰問に聞こえる場合もあります。「クッション言葉+依頼型」の質問話法をうまく活用したいです。
質問の仕方にはいろいろあるが、代表的なものに「オープン質問」と「クローズド質問」があります。
オープン質問は、お客様に自由に話をさせるテクニックです。
お客様はストレスを感じることなく自由に自分の考えを話せ、こちらも相手の本音を引き出しやすいというメリットがあります。しかし一方で、話が飛びやすく本題とずれてしまうことがあります。そのため内容を把握するのに時間がかかるというデメリットがあり、論点がずれないよう会話をコントロールする力が必要になります。
クローズド質問は、「YES」「NO」や「右」「左」など端的な一言で答えられるように内容を限定し質問するテクニックです。
この場合、相手は質問から受ける負担が少なくなります。要点だけを絞って質問できるため、時間をかけずに必要な情報を引き出せるというメリットがありますが、話の主導権がこちらにあるため本音がわかりにくいというデメリットがあります。
お客様のタイプや状況に応じ、この二つの質問方法を使い分けるとよいです。
<オープン質問の例>
客 :「先月おたくで買ったばかりなのに、カメラの調子が悪いんだよ」
担当者:「カメラの調子がおかしいということですね。恐れ入りますが、どのよう
な状態か詳しくお聞かせいただけませんでしょうか」
客 :「シャッターを押しても写真が撮れないんだよ」
担当者:「それはこ迷惑をお掛けして申し訳ごさいません。恐れ入りますが、
お買いあげいただいたカメラはどれくらいお使いいただきましたで
しょうか」
客 :「まだ30枚ぐらいしか撮っていないんだ。昨日はまだ大丈夫だったの
にな」
<クローズド質問の例>
客 :「先月おたくで買ったばかりなのに、カメラの調子が悪いんだよ」
担当者:「カメラの調子がおかしいということですね。電源は入りますでしょう
か」
客 :「はい」
担当者:「では、シャッターボタンを押しても写真が撮れないということですね」
客 :「はい」
担当者:「それはご迷惑をおかけし申し訳ございません。お買い求めいただい
たときからそのような状態でしたか」
客 :「いいえ」
