まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
..... 略
島崎藤村の「初恋」です。
中3の時、国語の教科書に載ってたやつです。
国語の先生に「この詩の主人公の初恋は成就したのかい？」と質問されてドギマギしました(^^;
それで、今でも何故か全文暗唱できます(笑)
りんごの旬は10月から12月。だいたい秋から冬にかけてです。現在は冷蔵で収穫後に長期間貯蔵できるので、ほぼ1年中お店に並んでます。
今は旬では無いので当然高いんです。
それまでは安いバナナしか買わなかったのですが、退院してからはスーパーに行った時には周りを見渡して、いろんな果物を買ってみたりしています。例え小さなコトでも、今まで見て来なかったモノをできるだけ見たり経験しようと思っているので...。
高いなぁーと思いながら１つ取り上げた時、全然脈絡なく頭に浮かんだのが藤村の「初恋」です。
「(結い上げはじめたばかりの)前髪にさした花櫛の花のように、君のコトを美しいと思った」ってところでしょうか。
中3の時の私は、先生の質問にうまく答えられなかったのですが、今ならちゃんと答えられるような気がします。
.....
林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
林檎畑の樹の下に自然に出来た細道は、
「いったい誰が、(道ができるほど)踏み固めたんでしょうね？」と尋ねるあなたのそういうところを、ますます恋しいと思えるのです(^^)
