首相「偽装献金は決着」…衆院代表質問
衆院は19日午後の本会議で、菅財務相の財政演説に対する各党代表質問を行った。
鳩山首相は自らの元秘書2人が起訴された偽装献金事件を「決着済み」とし、民主党の小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件に関し、法相による検事総長に対する指揮権発動を否定した。
自民党の大島幹事長が偽装献金事件をただしたのに対し、首相は「検察捜査で全容が解明され、処分決定によって決着したと認識している」とし、母親からの資金提供も「私が知らなかったことは検察の捜査で事実として解明された」と強調した。
小沢氏に首相が「どうぞ闘って下さい」と述べた真意は「小沢氏の『闘う』との表明は、自らの潔白を証明していく決意で、そのことを了とした」と説明。「小沢氏も潔白を訴え、説明するのは当然の権利。国策捜査、指揮権発動は考えていない」と語った。
一方、衆院予算委員会は19日の理事会で、2009年度第2次補正予算案について、20日に財務相から提案理由説明を聴取し、審議入りすることを鹿野道彦委員長の職権で決めた。
(2010年1月20日01時10分 読売新聞)
鳩山首相は、自らの「偽装献金疑惑」については、検察の捜査により、「私は何も知らなかった、秘書達が勝手に母親に資金提供を申し入れ、母親は子供のために内緒で月々1,500万円の援助をしてくれた」という事実が解明され、法に照らして決着したと答弁した。 検察の捜査を信頼しているということだろう。
当然ながら、自らの疑惑決着に、検察捜査を根拠にすることとの整合性のために、小沢氏の疑惑にに対しても、「小沢氏も潔白を訴え、説明するのは当然の権利」と、検察の事情聴取に応じるよう暗に促す事となった?。
鳩山首相の検察に対する批判的対応が微妙に変化しているのもかかわらず、民主党内の「検察との対決」機運はエスカレートしている。
民主党に限らず、国会議員は、「政治とカネ」についての透明性や、クリーンさを、政治改革の重要課題として主張してきたのではなかったのか?
そうであるならば、「政府・民主党 VS 検察」の構図は理解に困る。
問題の核心は、一体何なのだろう?・・入り口から解らない。
もし、民主党の皆さんが、小沢氏に「何もやましいことはない」と信じているなら、事情聴取に応じて潔白を訴える(闘う)ことを勧めるべきではないだろうか?。
小沢氏が事情聴取に応じていたら、「検察との対決」のひとつの理由、元秘書の逮捕は無かったかも知れない。
--<補追>-- 新情報によると、小沢氏が事情聴取に応じるらしい。常識的判断でチョット安心した。
或いは、「検察対応チーム」などと騒ぐ前に、党内に、調査チームでも作り「何もやましいことはない」と証明することだってできるだろう。
もし、小沢氏の収支や金の流れに、多少疑わしい点はあるが、今までは「罰金で済んでいたではないか」ということであるなら、一つは、今のように慣例をたてに検察批判を強めて、勝利すること。その場合は、「政治とカネ」の正常化も、自浄作用も期待できないことになる。
もう一つは、新政権が主張してきた企業献金廃止など、「政治とカネ」の問題の一環として、クリーンな政治を実現するため真摯に受け止め、法整備なども含めて対応を図る道もある。
もし、「何で小沢氏だけが」との不満があるということであれば、理屈としてはは分る。
しかし、他にも同様の疑惑があったとして、もれなく同時に捜査をすることは、現実問題として困難だろう。
証拠の把握など捜査の進み具合、金額の多寡・違法性・悪質性、そして、世間に与える影響等を考慮し捜査すると言うのが常識的だ。 これを理由に検察と対決すると言うのは身びいき過ぎる。
立派な議員先生方に、程度の低い例えでお叱りを受けるかもしれないが.......
もし、あなたのお子さんが悪さをして、叱っているとき、「○○ちゃんも、やってるよ」とか、「何で僕だけ叱るの」と文句を言ったらどうしますか?
・・・ おそらく、「人のことはいいの、あんたが悪いことしたから怒っているのよ!」とでも言うでしょう?。
お子さんが、悪いことしていないなら、別ですが。
「検察と対決する民主党」の鳩山首相や千葉法相は、行政府の長でもある、検察に一定の独立性があるとしても、検察の捜査が正しく行われるよう指導する立場でもあるはずだ。
職責を果たさず「官僚」批判だけしていて良い筈はない。
小沢幹事長の疑惑内容や検察の捜査方針、石川議員の逮捕など捜査の進展などについて、千葉法相は、なにも把握していなかったのかなどについて情報がでてこない、マスコミ、民主党議員は誰も質問しないのだろうか?。
こうして色々書いているうちに馬鹿らしくなってきた。
要するに、色々もっともらしいことをいうが、お互いの「権力闘争」・「組織の保身」が対決の構図?
対決であるなら、検察にも民主党にもそれぞれ言い分があり、マスコミや国民もどっちかに肩入れをする。
最終的に「司法」の判断を待つしかないのではないだろうか。
今回の騒動で、不思議と言うか、わかったことがある。
鳩山首相が「国民の命を守る」と心配するほど、生活に困窮しているひとが多い世の中だが、なぜか、鳩山首相の桁違いの「献金疑惑」や、小沢氏の不動産関連の疑惑について、国民?は寛容だ。
鳩山首相一族の「巨額の資産」の話題や、今回の一連の疑惑に飛び交う・・何百億やら何十億やら、少なくても数億・・という、庶民には実感できない金額ばかりで、感覚がマヒしてきたかもしれない。
世の中には、信じられないお金持ちがいるんだね、とか、我々とは感覚が違うんだねとか、なんというか、別世界のことに文句を言ってもしかたない.................という諦めのような、気分?
今考えれば、チョット前まで、マスコミも国民も「政治とカネ」には厳しかった。 何人もの閣僚が責任を取らされたことやら.............ナントカ還元水の500万円で自殺までした大臣などもいたっけ。
「清濁併せ呑む」そんなやり手の政治家が必要な時代なのだろうか? ん~。
民主、検察批判に拍車 メディアに矛先向ける動きも
民主党の小沢一郎幹事長の元秘書らの政治資金規正法違反事件をめぐり、同党が検察や報道への反発を強めている。小沢氏にきちんとした説明を求める声はほとんど上がらないなか、逆に捜査当局やメディアに矛先を向ける動きがあちこちで起きている。
東京地検特捜部に逮捕された小沢氏の元秘書、石川知裕衆院議員をめぐり、18日には「石川代議士の逮捕を考える会」が発足。石川氏と当選同期の衆院議員らが国会内に集まり、東京地検特捜部出身の郷原信郎弁護士を招いて検察の捜査手法などについて議論した。この会合には逢坂誠二首相補佐官や小川淳也、階猛の両総務政務官ら政府側の議員も参加していた。
平野博文官房長官は19日の記者会見で、この会合に関する政府の姿勢を問われ、「同期会ということで集まったと(聞いた)。あたかも政府も一体になって、ということにもしなるのなら不適当だ」と指摘。その後、平野氏は小川政務官に「これ以上活動するな」と伝えた。
党役員会で機関決定された組織もある。18日、検事出身の小川敏夫広報委員長(参院議員)をトップに据えた「捜査情報の漏えい問題対策チーム」の設置を決定。捜査情報が報道されているとして「国家公務員による守秘義務違反」を追及する構えだ。
この動きに合わせて、党内では捜査当局の取り調べを透明化する刑事訴訟法改正案(取り調べ可視化法案)を今国会に提出することも検討され始めた。法案は取り調べのすべての過程を録音、録画する内容で捜査当局には抵抗感が強い。ある党幹部は「これで検察は下手に動けなくなった」と述べており、検察側を揺さぶる狙いは明らかだ。
19日には森ゆうこ、広中和歌子両参院議員ら約20人の議員が会合を開き、検察捜査の問題点を追及していくと確認した。
矛先はメディアにも向く。原口一博総務相は19日の閣議後会見で、「関係者によると」という報道は情報源が不明確だと取り上げながら、「少なくともそこを明確にしなければ、電波という公共のものを使ってやるにしては不適だ」と主張。報道機関が自主的に判断する問題だが、放送局に監督権限のある総務相が報道内容にまで踏み込んだ異例の発言だ。
鳩山由紀夫首相は19日、こうした動きについて「権力でメディアがゆがんでしまうのは望ましくないし、それを企図しているとは思っていない」と記者団に語った。
一方、自民党の谷川秀善参院幹事長は「隠蔽(いんぺい)する会、圧力をかける会でしょ。大政翼賛会みたいな話だ」。みんなの党の江田憲司幹事長は「民主党が自浄作用を果たすために所属議員は何をなすべきかという認識が根本的に欠如している」と語った。
(2010年1月20日5時0分 朝日新聞)
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