朝青龍のガッツポーズ「行き過ぎ」、横審委員から厳しい声
大相撲初場所後の横綱審議委員会が26日、両国国技館で行われ、復活優勝した朝青龍が千秋楽の土俵上で派手なガッツポーズをしたことについて、各委員から厳しい意見が出された。
海老沢勝二委員長は「朝青龍は体力や精神力も充実し、よく頑張った。全体的に非常に盛り上がった場所」と評価する一方、「伝統ある大相撲で、あのようなパフォーマンスは行き過ぎ」と複数委員からガッツポーズを問題視する声が上がったことを明かした。
指摘を受けた武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は、横綱本人と師匠の高砂親方(元大関朝潮)に注意することを約束したという。
沢村田之助委員(歌舞伎俳優)は、「(今回欠席した)山田洋次委員(映画監督)からも『結果は認めたいが、横綱の品格はゼロと言ってほしい』と電話があった。今までの横綱でガッツポーズした人なんか一人もいない」と厳しい意見。
「僕は気にならなかった」という新委員長の鶴田卓彦委員は、「相撲は神事という意見に立てば行き過ぎという声もある。だが、一般の人はどう受け止めているのか」と寛容な姿勢を見せた。
(2009年1月26日20時57分 読売新聞)
初場所、見事復活優勝を果たした朝青龍の「ガッツポーズ(万歳ポーズ)」に横綱審議委員会から「品格ゼロ」との厳しい意見が出された。
私も、同じ思いであるが、日本の神聖な、あるいは伝統を理由に品格を云々することは「いまさら遅い」というのが本音だ。
日本伝統の大相撲を、単なる(格闘技)スポーツではなく、”神事”ととらえるとその意見も良くわかる。 しかし、外国人力士にそれを厳格に求めるには無理があるような気もする、つまり、外国人力士を大相撲に迎えた時点で”神事”としての大相撲の伝統は失われたのではないかということだ。
そこまで日本の伝統や格式にこだわるなら、外国人を呼び寄せたり、プロスポーツとしてテレビ放映したりすべきではないだろう。また、伝統が最大関心事なら、女性委員が土俵に上がるかどうか検討にすらならないのでは?
日本の伝統的(武術)スポーツである柔道で、メダリストの「ガッツポーズ」が批判されたことはない(カラー柔道着やポイント制などは個人的に釈然としないが...)。
柔道と同様、あるいはそれ以上に外国人が活躍し、いまや”関取”の勢力は海外勢が圧倒している。
伝統を問題視する以前に日本人力士の活躍を見たいものだ。
皮肉なことに、その「伝統」 ....... 激しい稽古、厳しい礼儀、番付けによる厳格な上下関係、ついには、まわし姿が”カッコワルイ”など ........ こそが大相撲離れになっている。 ”ハングリー精神”は死語になった。
大相撲はれっきとしたプロスポーツである。初場所は、観客の入りも良く、TV視聴率も最近にない高さだった。
朝青龍の一種”敵役、悪役”の魅力が少なからず興行的には貢献したと思う。
高見盛が観客に大受けなのも、けして品格が高いと思えないパフォーマンスがあってのことだ。
確かに横綱には、それにふさわしい品格が必要だが、今回の優勝が”周りは敵ばかり”?の朝青龍にとって押さえきれない喜びだったことは理解できる。
その感情までコントロールしろというのは、すこし、酷なのでは?。
「数々の試練を乗り越えての優勝。やっぱり横綱は強くなくっちゃ」、素直な正しい発言だが、すっかり”ヒール(敵役)”が身についた、麻生首相の言葉では、批判記事の格好の材料?になりかねない。
まあ、朝青龍を快く思っていない多くの(マスコミや評論家など)人々の悔しさの裏返し.......
そんなことはないか.......。
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