ノスタルジックな盛岡の地元酒場
JR山田線上盛岡駅から歩くこと約八分、盛岡の飲み屋街から離れた本町通り沿いに焼き鳥酒場(さい川)がある。
暗闇に酒場の看板が灯る、いかにも東北のわびしい酒場だ。
暖簾をくぐると店内は満員。
ここは地元常連客による地元常連客のための酒場のようだ。
一席空いたカウンターに腰をおろし、「ビール」の声に従業員が冷えたサッポロラガーを運んできた。
ングングング……。
一息つき店内を見まわした。
すすけた天井、柱、壁、すべて昔のままらしいがきれいに拭きこまれている。
カウンターも丸椅子も質素で、小上がりもある。
焼き台に立つ高齢の主人はひっきりなしに焼き鳥を焼き、焼き台はまさに戦場だ。
届いた焼き鳥の深い飴色に輝く醤油ダレはうま味やコクが複雑に絡み合った老舗の味わい。
客は誰もが、ここを自分の場所と思っているようだ。
ここに座りせちがらい現世を忘れ、ひととき昔日の古きよき、美しき日本の庶民に帰る。
これこそ老舗の地元酒場だ。
飲み物メニューなし。
しろ100円
タン100円
レバー100円
ひなどり100円
とりかわ100円
おしんこ100円
「営業時間17:00~23:00/日・祝休」