天秤 | 無い物ねだりの身の程知らず

無い物ねだりの身の程知らず

人が見れば決して不幸でも恵まれていない訳でもないのに、ありのままの自分を受け入れられていない私がいます。
子供の頃からずっとコンプレックスと生き辛さを抱えていた私の半生と現状を綴り、これからの自分の人生を前向きに生きられるヒントを得られたらと思っています。

私が働く派遣先の中で、唯一私の心の支えであった、オープニングメンバーで私より1つ年上のSさんが、副リーダーのUさんが正社員になると知って、会社を辞めると決めたそうです。


それを聞いた私はショックで、Sさんに辞めてほしくないと思っていました。


だけど、Sさんは一日の殆どの時間を、Uさんと同じ空間で仕事をしてきた事を考えると、私とは比べ物にならない位のストレスが掛かっていたんだと思います。


その事を想像すると、私はSさんを引き留める事は出来ませんでした。


Sさんが辞めてしまえば、私は課の中で本音で話せる人はいなくなってしまいます。


だけど、Uさんが正社員になったからと言って、Uさんが私の課に居る事は、今までと変わりはありません。


それに、私はUさんのせいで私の働き口を失う事は、私が軽蔑する人種であるUさんに負ける様で嫌でした。


私がそう思うのは、派遣会社での私の時給が高かった事と、18時からの事務職で、家からも近く自動車通勤が出来て、土日祝日が休めるからでした。


そして、私は18時からの事務員の第一号として仕事を任されている事に、やり甲斐を感じていました。


物流倉庫の繁忙期は、連日の深夜までの残業になりましたが、その分、私の収入が増えました。


それは、今まで私が働いたどの会社よりも手取り額が多く、18時からの短時間勤務でも、日勤のフルタイムの契約社員さん並の給料を手に出来ました。


なので、私は残業も全く苦ではなく、寧ろ充実感すら感じている程でした。


だから、課の中で、私の唯一の心の支えであるSさんが居なくなったとしても、私は、この条件の良い働き口を、手放す事は出来ないと思っていました…