繁忙期 | 無い物ねだりの身の程知らず

無い物ねだりの身の程知らず

人が見れば決して不幸でも恵まれていない訳でもないのに、ありのままの自分を受け入れられていない私がいます。
子供の頃からずっとコンプレックスと生き辛さを抱えていた私の半生と現状を綴り、これからの自分の人生を前向きに生きられるヒントを得られたらと思っています。

Hさんが会社の社員になられ、営業兼広報兼事務部長に就任される事になりました。


Hさんが部長に就任されてから目下の大仕事は、お節料理の完売と、年末年始の配送を滞りなく終える為の手配をする事でした。


昨年までのお節料理は、全て我が社の調理場で製造して、配送ドライバーが配送出来る分だけの数量しか販売していませんでした。


だけど、今年のお節料理は、少しでも売上を増やしたいという社長の意向で、お節料理の種類を1つ増やし、昨年よりも200個も多く販売する事にしたそうです。


種類を増やした200個のお節料理は、真空パックの冷凍品で、製造と配送を外部委託する事にしたそうです。


なので、自社製造のお節料理よりも、販売価格が一番安くなっていました。


お節料理のメニューチラシには、冷凍品のお節料理も、我が社が監修した食材と製法で、外部委託した工場で製造していますとうたっていました。


だから、冷凍品のお節料理でも、従来の冷蔵品のお節料理と比べても何ら遜色が無い事を、お客様に説明する様に言われていました。


なので私達事務員は、Hさんに言われた通りに、お客様に冷凍品のお節料理の説明をしていました。


そして、自社製造のお節料理も外部委託のお節料理も、11月中には完売となりました。


お節料理の注文が締め切られた後、私達事務員は、発送の準備に取り掛かりました。


自社製造のお節料理は、我が社の配送ドライバーが宅配をするので、配達漏れの心配はありませんが、外部委託のお節料理の宅配は、配送業者に宅配を一任するので、配送業者に送る発注リストに漏れや間違いが無い様に、Hさんは、とても神経を使っておられました。


なので、Hさんは毎日遅くまで残業をして、お節料理の配送の手配に、多大な時間を割いておられました…