せめてもの救い | mirokuのブログ

ひとりの若い女性に死化粧を施した

彼女の身体が熱い…心配だった

どうかこのままの状態でいられますようにと心から祈る…

 

遺影は数年前に撮影された成人式の晴れ着姿

とっても愛らしく笑っている

 

綺麗な景色を見て目をキラキラさせ感動してた

大好きな人との初めての旅行の終わりに

彼女の人生の終わりは突然…訪れた

 

 

元気に行ってきます。と微笑んで家を出た

帰ってきたのは白布に包まれた担架の上

だだいま。の言葉はもちろんない…

 

子を亡くした母…

自分の子の生まれた日も

住んでいる住所も思い出せないと言った…

 

兄が死んだときのことが蘇った

憔悴しきって身体が見てすぐわかるほど痙攣していた

そんな両親の姿が重なって切なかった

 

 

ただ…

ただ……せめてもの救いは

彼女は微笑んでいるように私には見えた…

最期まで安らかでいてくれた。

 

初めてめぐり会った最愛の人

今まで生きて来て一番幸せだと言っていた

その人に見守られここに眠っている

 

まだまだこれから楽しい時が…

と、言ったらとてつもなく きりが無い…

 

与えられた定められた時間があるとしたならば

楽しい幸せな想いに包まれながらの人生の幕引き

もしかしたら…

だから…微笑んでいたのかもしれない