話題のミッドナイトスワン、劇場で見てきた。
性同一性障害のなぎさが親戚の中学生いちかちゃんを預かるところから物語が始まる。
幼い頃から母親の虐待を受け、信頼や安全そして一番大事な愛を覚えることなく育ち、社会との接続を避けてきたいちかちゃん。
唯一彼女が興味を示したのがクラシックバレーだった。
彼女は夢中でバレーの練習に励んだ。
自分の興味がどこにあるのかを心に問うこと、
自分が望む領域で圧倒的になりたいと強く誓えること、
そして、たとえ1番になれなくてもその領域が好きで、そのことをしているだけで時間を忘れてしまうということが、大事である。
いちかは、与えられた才能を活かし、この世に生まれてきた身体で精一杯表現する。
指先まで美しいいちかの動きに陶酔した。
私も、人を魅了させるような、呼吸しているだけで引き寄せられるようなヨガティーチャーになりたい。
そして、成長していくいちかは、次なるステージにどんどん登り、周りへの期待も上がる。
同時にいちかの不安も大きくなっていく。
一方で、なぎさは性転換手術を行うも、失敗して病に苦しむ。
変わり果てたなぎさの姿をいちかは黙って受け入れる。
変わっていく自分を受け入れる勇気、
そして、変わり果てた相手を受け入れる愛。
ありのままの自分を愛してくれる喜びはこの上ないと感じた。
そして、ラストのバレーダンスのシーンで号泣した。
離れていても共鳴し合う魂、
物語の過程を通して、孤独なもの同士が引き寄せられ、強く成長していく美しさを感じた。
孤独な人は、どこで化けるかわからない。