江國香織さんがオススメしてた本を読んだ
「あたらしい名前」
著者は、ジンバブエ出身のノヴァイオレット・ブラワヨさんだ。
ジンバブエはアフリカの南に位置する国
南アフリカ、ザンビア、モザンビーク、ボツワナに隣接している。
小説の主人公は、ジンバブエ出身の女の子で、父は、南アフリカに出稼ぎに行って以来帰ってこない、親友のお腹は大きい。彼女はレイプにより10代前半で妊娠したのだ。
毎日友人たちと白人居住地域になっているグアバの木からその実を盗んでお腹いっぱいになるまで食べる。
自国の通貨がインフレで価値を失い、他国通貨(米国ドルや南アフリカランド)で支払いが行われる。
ムガベ大統領による貧困者居住地域の強制撤去政策はヘドが出るほどひどい話だ。
周りの人々は、国を脱出してアメリカへ逃げることを夢見ている。
少女は、親戚が住むアメリカに渡るが、そこは夢見ていた世界とは違う、全くの地獄だ。
人種のヒエラルキー、臭く汚く安月給な仕事、IDを作れない。自分の存在を法的に証明することができない疎外感、残るのは祖国に帰りたい気持ち、だけど帰ることはできない。一度帰ると、一生アメリカに戻ることなどできない運命が待っているからだ。
私は、地図上でしか確認したことのない国の実情を知る。
そこにあるであろう事実をただ学ぶ。
そこに、共感とか、自分への教訓とか、同情とか、見出そうとすることがおこがましく思える。
「日本は恵まれてる」と、この国に生まれたことを誇りに思うことにも少し違和感で、この国はこの国で多くの問題を抱えているからだ。
私はジンバブエの国の人々が経験した(今も経験している)酷い仕打ちの苦しみについて堂々と語る権利などないけど、本を通じて自分が得た知識(とても限定的な知識だけれど)、感じたことを人に話してもいいのかと思った。
久しぶりにいい本を読んだな。
内容は、重いのだけれど、書き方が軽くて、無邪気だ。
この小説には、十代の少女の社会に対する率直で鋭い感情がとても軽やかに描かれている。
