Derek Bailey 【The Music Improvisation Company】 | 音楽好きの備忘録。

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紙ジャケットCDが大好物。
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どうも〜♪

すっかり梅雨ですね。去年より雨が少ないように感じますが、やはりジメジメしますね。

学校も新聞配達の仕事も慣れて、今日はまったり家で過ごしてます(*^^*)

雨の日は新聞をビニールでラッピングしないといけないのでちょっと面倒なんですよね〜(汗)

晴れの日に比べて配達もダルくなっちゃうし...。

早く梅雨終わってほしいなぁ〜と思う今日この頃です。

 

 

 

さて、今回のToday's Musicはかなりマニアック(笑)な作品を紹介します

1950年〜60年後半にかけての英国。当時音楽を賑わせていた「ジャズ」の分野で、「より自由な、よりしなやかな」音楽を目指す「アヴァンギャルド・ジャズ(前衛ジャズ、完全な即興演奏)」という新たな音楽が誕生しました。

もともとは米国のオーネット・コールマンが提唱した「フリー・ジャズ」という音楽が、広い意味での「完全即興演奏」の先駆けになったのですが、音楽における「即興」の表現の可能性をストイックに模索していったのが、英国が生んだ前衛ギタリスト、「デレク・ベイリー」です。

ハーモニーやメロディーといった概念をなくし、その場で瞬間的に思いついた「音」を積み重ねていく「インプロヴィゼーション(即興演奏)」を極めた前衛音楽家の一人です。

 

そして彼が組織した演奏グループ「The Music Improvisation Company (通称 : カンパニー、又はM.I.C.)」のファーストアルバムが今回紹介したい作品です!!(毎度のごとく前置きが長過ぎる笑

 

 

 


 


1970年発表/ The Music Improvisation Company 

 

『 The Music Improvisation Company 

 


***** List *****

 

1 . Third Stream Boogaloo

2 . Dragon Path

3 . Packaged Ell

4 . Untitles No.1

5 . Untitles No.2

6. Tuck
7 . Wolfgang Van Gangbang

 

*************

 

 

 

 

このアルバムは、上記したように完全な即興演奏を展開しており、はっきり言って普通に楽しめる音楽ではありません。「売れ線ってなんですか?」と言わんばかりの、聴衆を突き飛ばすようなとっつきにくい演奏が特徴です。

 

ではなぜ、僕がこのアルバムを手にとったのかというと...。

プログレッシブ・ロックの長、「キング・クリムゾン」の1973年発表の作品『Larks' Tongues In Aspic (太陽と旋律)』に参加していた天才パーカッショニスト、「ジェイミー・ミューア」がパーカッションで参加しているからです。

キング・クリムゾンの音楽の中でも、最も攻撃的で「破壊の美」を追求したような激烈な作風が素晴らしいアルバムで、ロックとジャズの高い次元での融合を達成した傑作なんです。

そのアルバムにだけ参加していたミューアが過去に所属していたグループの音楽ということで、長い間憧れていたアルバムが本作でした。

ところが、、、。

 

元々LP(レコード盤)で発表された作品で、オリジナルLPはオークションでプレミア価格がつく程の激レアもの。更にCDに至っては「完全限定生産」で発売されたきりで流通量が少ない。マニアックすぎるためレンタルでもみかけることは皆無...。

 

そんなこんなで、このアルバムへの憧れはます一方でした(笑)

そんなある日、偶然にもオークションで本作のCDが5000円程で出品されていたものを落札。「やっと念願のアルバムが聴ける...!!!」といざCDを再生してみると、クリムゾンの「太陽と旋律」とは全く違う、期待していた音楽とは180度違う音楽に文字通り面食らいました。

 

「え~なにこれ。。。。。」

 

これがファーストインプレッションでした(笑)

ただ、僕はこの作品を手に取るまで「アバンギャルド」「フリー・ジャズ」「完全即興演奏」に対する知識が全く無かったので、そこから色々と調べてみることに。「インプロヴィゼーション(即興演奏)」に関する本や、前衛音楽をまとめたサイトなどを読み研究して、やっとこのアルバムの良さを見出せました。

 

各楽器の音に耳を澄ませば、ジェイミー・ミューアのきめ細やかかつダイナミックなドラムの音や、デレク・ベイリーの奔放(?)なギター、エヴァン・パーカーのスピード感のあるサックスの音、ヒュー・デイヴィスの掴みどころのないライブエレクトロニクスの音等、色々聴きどころのある面白い作品ではあります。

ただ、上記したようにメロディーやハーモニーは皆無であり、「ジャズ=お洒落」な一般のイメージとはかけ離れた、音楽の限界に挑戦するようなまさに極北の演奏です。

「音楽」というよりも「音」と言ったほうが正しい(?)気がします。

水面に雨がうち波紋が広がっていくような、静謐な淡い印象が強く残るサウンド。

無音状態が延々続くかと思うと、急にノイズのような音が畳み掛けてきたり、緩急はあるもののやはり聴きにくさは否めません。

 

ベイリーが目指した、「それまでにない、全く新しい音楽。なんにも囚われない自由な演奏」は実は非常に難しいのではないか?とこのアルバムを聴いて感じます。アーティストが手癖のように同じパターンのフレーズを弾いてしまうジャズ「イディオマティック・インプロヴィゼーション」ではなく、後にも先にもない「今」に集中し、思いついた音を即興的に演奏する。その結果がこのアルバムです。

 

クリムゾンの「太陽と旋律」とはほぼ関連性のない作品に思えますが、後に「即興演奏」のロックを完成させたクリムゾンの原点である音楽であることには間違いないです。

墨の濃淡のみで表現する水墨画のような、侘び寂びに通ずるものを感じえる事が出来るアルバムです。

非常に評価が難しい作品ではありますが、アヴァンギャルド、フリー・ジャズに興味がある方は、(聴く機会があるならば)一度聴いてみると面白いと思います。

 

 

 

いつになく散漫な文章になってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございましたm(_ _)m

 

ではまた次の更新でお会いしましょう♪

 

 

 

2018.6.24 written by masato