温泉行きは取りやめたが、出かける予定だった日の嫁さん家は朝から穏やかだった。昼間は薄日が差し、庭で洗濯物が干せるくらいだった。 午後になって風が出てきたが、それでも買い物に行ったり 庭木の風対策をしたりしていた。夕方に家中の雨戸を閉め、ふだんは開けっ放しの車庫にもシャッター を下ろした。
夜になって台風が鹿児島に上陸した頃から風がぐんと強くなり、2階の雨戸にガンガン吹きつけるようになった。ヒューヒューのレベルではなく風の塊がドーンと当たってくる。
その音におびえ、嫁さんは寝ようとしない。TVやパソコンで状況を探ろうとして、一晩中ずっと起きていた。それで私の睡眠も大いに妨害された。
近年にない被害をもたらす大きな台風だとTVでさんざん喧伝されていたが、実際に はるか九州の台風でこんな目に合うとは思いもしなかった。
朝になると携帯に避難情報が届くし、 旅行で行こうと思っていた温泉地にも土砂災害の警報が出されていた。また 道中の高速も通行禁止になっていたから、温泉旅行をやめた判断は正解だった。