私家版「奥の細道」③~列車に乗り遅れ | 100回行こう、ヨーロッパ 

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  100 回行こう! と勢いはよくても、実際の訪欧はまだ約40回。欧州その他への
  これまでの 100 回超の海外旅行で 体験したことや、思ったこと ・ 感じたことを
  つれづれに記してみる。  【タイトル背景はプラハ】

8月28日(土);前半

畳に敷かれた布団で十分に眠ることができた。食堂まで出ると 他に泊まっていた仕事関係の客はすでに出かけていて、テーブルには私の食事だけがポツンと置かれていた。

 

一人で宿を切盛りするおばちゃんは暇なのか 付きっきりで私の相手をしてくれる。コロナでこの一年半はずっと客が減っていること。盆には少し客がいたが、GW中は誰も泊まりに来なかったこと。五輪の前には こんな宿にまで公安が宿泊(予定)者名簿を調べに来たこと。ちょっとした買い物は山形市を通り越して仙台まで出かけること。あと 地域の天候や地元有力者の話、親の介護のことなどを延々と話してくれた。

 

それはそれで面白かったのだが、気がつくと 9時を過ぎている。えらいこっちゃ! 9時の鶴岡発に乗らないと五能線の列車に間に合わない。うろたえて駅まで走った。駅で調べると 10時17分に秋田行き特急があり、それなら五能線の『リゾートしらかみ』の乗車に間に合う。しかし 手持ちのフリー切符では特急に乗れないので、改めて乗車券と特急券を買い求めることに。。。 3700円の臨時出費はもったいなかった。

 

秋田までの車中はずっと雨。窓外の景色も滲んで価値半減だが、それでも庄内の雰囲気は十分に味わえた。特急の「いなほ」という名称はぴったりで、どこまでも広い田んぼは ヨーロッパの農村の雰囲気が味わえる。

 

秋田では『リゾートしらかみ』の乗車まで 2時間の乗り継ぎ時間があったが、雨が降っていて市内観光に出るのが億劫だった。しかし 初めての秋田だし、せめて一ヶ所だけでも観光しようと 竿燈会館まで出かけた。竿燈は秋田を代表する夏祭りだが、今年も中止になったという。他に訪問者はおらず、係員が竿燈の起源やその発展過程などを丁寧に解説してくれた。

 

 

 秋田駅の歓迎ディスプレイ㊧と、竿燈会館内パネルが表す竿灯まつりの様子㊨