ネットで見つけたハンガリーダンスの公演に行った。 チケットは日本で事前購入していたが、劇場は 『…歩き方』掲載の地図外にあり 行き方がよく解らない。路面電車でテキトーに下りたら ひとつ手前の停留所だったので、ひと駅分歩いてリカバーした。
たどり着いた劇場は 天を仰ぐほどに大きく、“芸術の宮殿”と大層な名前どおりの構えだ。公式スポンサーになっているのか側面に劇場名が書かれたレクサス(車)が館の内外に展示されていた。
時間になって中ホールに入場すると 購入席は最前列だった。ステージとの間は50㎝もなく、着席した時のステージ高は肩より低い。こんな目前で踊られたら顔面を蹴られるのでは、と心配した。
いざ舞台が始まると、ダンスは数㍍先に敷かれた板の上で舞われ、顔面蹴りは杞憂に終った。
出演は7人の奏者と男女15人ずつのダンサーから成る。男性はリバーダンスに上半身の振りも加わったようなもので 激しい動きである。両手を打ち合わせたり、太ももや脛を叩いたりする。あげくは余ったエネルギーで床を叩いたりもする。その忙(せわ)しなさは 大阪名物パチパチパンチなど足元にも及ばぬ。
一方の女性はというと、フォークダンスみたいに 男性に絡んで踊るのが多い。クルクル回転して長いスカートを巻き上げる。
演奏の7人はバイオリンがメインで あとはクラリネットや太鼓など。何か知らぬがピアノの弦をバチで叩くみたいな楽器。これがまた目まぐるしく早い。
ダンスも演奏も一朝一夕で出来るようなものでなく、観る客を唸らせる技巧であった。楽しい舞台で 観にいって得した気分になった。
“芸術の宮殿”だって 舞台は撮れないので代わりにポスターを