ホテルのバーでは 毎夕にカクテルタイムを設け、クラブルーム宿泊客に アルコールを無料提供していた。3晩目にもなるとルーム# の確認もなく、いつものシャブリエのワインとスパークリングワインでいいですか? と訊いてきた。嫁さんは 今日は違うのにトライしてみたいと お勧めの🍸を訊き,それを求めた。そして 調子にのって トロピカルで見栄えのいいカクテルを飲み干した。
ひと段落して ホテルの向かいのスーパーへ みやげ物を探しに出た。私がビールとつまみを買って 果物売り場に戻ると、嫁さんが体をふらつかせ ヨロヨロしている。目もうつろだ。どうしたのかと聞いても よう答えられない。
あ~ これは酔っぱらっている。19年も前に ストックホルムのグランドHで見せた醜態と同じだ,と いっぺんに理解した。ふだん飲まない酒に飲まれてしまっている。これの回復に 1時間はかかる。
店もびっくりして 何人かの店員が駆け寄り、空いていたレジ椅子を出してきたり 嗅ぎ薬を吸わせたりした。慌てて出された背の高いレジ椅子は 安定感ある車イスに変えられ、安楽姿勢でずっと休んでいた。その間に 食べたものを戻したりして、店にはずいぶん迷惑をかけた。 1時間ほどしたら だいぶん回復したので、私の肩に体を預け ホテルまで歩いて戻った(100㍍もない距離)。
迷惑をかけたので 店にお詫びの金を渡そうとしたが、責任者は そんなものは要らないと受け取らなかった。
ムードと酒に酔っちまった