津波被災地を行く① ~ 石巻市 | 100回行こう、ヨーロッパ 

100回行こう、ヨーロッパ 

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  100 回行こう! と勢いはよくても、実際の訪欧はまだ約40回。欧州その他への
  これまでの 100 回超の海外旅行で 体験したことや、思ったこと ・ 感じたことを
  つれづれに記してみる。  【タイトル背景はプラハ】

7/137/16まで東北の津波被災地を旅行してきた。被害は思っていたより酷く、見て回るのに辛いものがあった。阪神大震災を経験し、先日はクライストチャーチの地震跡も見てきたが、東北の震災被害は これらとレベルの違うものだった。今日から被災地の今を 1週間連続でレポートする(その間、スイス旅行記は中断)


714日、仙台駅前のロイネットホテルを朝9時に発ち 先ずは塩釜を訪ねる。塩釜は港の周辺が更地になっているくらいで、被害の状況がよく分からない

次に松島を目ざしたが 渋滞に巻き込まれ、これではとても行けそうにないと 松島は取止め、行先を石巻に変更。石巻では駅前の観光案内所で 被害の概要を10分くらい話してもらう。地図上のこのルートを周ると 被害の状況がよく分かると教えてもらい、そのとおりに車で回ってみた。津波被害は惨憺たるもので、海沿いの住宅地は家屋がほぼ全滅している。わずかに残っていても 立ち枯れみたいに廃墟があるだけで、ガランとした町全体が見渡せる。

日和山公園という高台の公園に上がってみたが、海側に延々と更地が広がっていて 被害の甚大さが分かる。大きな寺がポツンと立っていたが 寺は屋根と柱だけが残り、柱を通して建物の向こう側を見通すことができる。寺の周りには無数の墓石が立っているから大きな寺なんだろう。


寺の近くに「がんばろう石巻」の看板が立ち、その脇にポールがそびえ立つ。そのポールのてっぺんに この高さ(6.2)まで津波がきましたと書かれている。それを見たらこりゃダメだと観念する。

「がんばろう石巻」の看板の近くに門脇小学校というのがあり、校門前まで行ってみた。3階建ての校舎はシートで隠されていたが、校舎の上部が壊れていて その時の状況が推察できる。今は廃校になって 子どもらは山の上の仮校舎に、あちこちの避難先から通ってくるとのこと。

「がんばろう石巻」の看板は一種のモニュメントになっており、ビデオも設置されているからバスや車が次々と立寄る。そんなバスの中から缶ビール片手のおっさんが降りてくるのを見ると 地元民でなくても腹が立つ。日和山公園にも多くの観光客が来ていたが、今や被災地観光という一つのジャンルが出来上がっているようだ。


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日和山公園から海辺の市街地を見下ろす。その中に立つ「がんばろう石巻」のモニュメント

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仏具や建具が流された寺         廃校になった門脇小学校