絶賛ダイエット中の私。
筋トレの新常識、あなたはいくつ分かりますか?
ちなみに、専門的なお話もあるので難しいこともありますが、わかる範囲で「はい/いいえ」だけもわかればいいのかも...
① たんぱく質の摂取は、筋肥大や筋力増強の効果を高める?
② たんぱく質の摂取タイミングは、筋肥大の効果に影響を与える?
③ 動物性たんぱく質は、植物性たんぱく質よりも筋肥大や筋力増強に効果的?
④ クレアチンの摂取は、筋力増強の効果を高める?
⑤ 炭水化物の摂取は、即時的に筋トレのパフォーマンスを向上させる?
⑥ マグネシウムの摂取は、筋肉のこむら返りを防ぐ?
⑦ 定期的な筋トレは柔軟性を低下させる?
⑧ 低負荷のトレーニングでも、回数やセット数を増やすことで、高負荷のトレーニングと同程度の筋肥大を得られる?
⑨ 低負荷のトレーニングでも、回数やセット数を増やすことで、高負荷のトレーニングと同程度の最大筋力を向上させることができる?
⑩ 週の総負荷量が同じ場合、週に複数回行うトレーニングは、週1回のトレーニングよりも筋力増強および筋肥大に効果的?
⑪ 筋力増強および筋肥大を促進するためには、疲労困憊になるまでトレーニングすることが必要?
⑫ フルレンジでのトレーニングは、パーシャルレンジでのトレーニングよりも筋肥大に優れている?
⑬ 筋トレによる筋肥大および筋力増強の効果は、女性よりも男性の方が高い?
⑭ フリーウェイトを使用したトレーニングは、マシントレーニングよりも筋力増強および筋肥大に効果的?
↓↓答えはkちら
①「はい」
当たり前のことですが、たんぱく質の摂取が筋トレの効果を確実に高めることを、明確なエビデンスとして示したのは2018年のマクマスター大学によるメタアナリシス。
*メタアナリシスとは…これまでの研究結果を統計的手法により全体としてどのような傾向があるかを解析するエビデンスレベルがもっとも高い研究デザイン。
マクマスター大学のMortonらは、49のランダム化比較試験を統合し、たんぱく質の摂取が筋トレの効果に与える影響を分析した。その結果、最大筋力が平均2.49kg向上し、筋肉量(除脂肪体重)は0.30kg増加することが確認された。
また、たんぱく質摂取の効果には上限があり、1日に体重×1.62gを超えても、それ以上の筋肥大効果は得られにくいことも示唆されている。さらに、年齢が上がるとたんぱく質摂取の効果は低下しやすく、トレーニング経験が長いほど効果が高くなる傾向も確認された。
適切な量のたんぱく質摂取は、筋肥大や筋力増強に有効であり、とくに1日に体重×1.62g程度の摂取が最適であることが示唆されている(Morton RW, 2018)。
その後、2022年にNunesら(同じくマクマスター大学)が、研究数を74に増やしたメタアナリシスを行った。その結果、筋トレによる筋肉量の増加が確認され、特に1.6g/kg/日以上のたんぱく質を摂取した場合に顕著な増加が見られたことが報告された。また、下半身の筋力も向上し、特に65歳未満の若年層で1.6g/kg/日以上の摂取が有効であることが示されている(Nunes EA, 2022)。
②「いいえ」
たんぱく質の摂取タイミングについては、これまで筋トレ前vs後や夜間の摂取などの議論が続いてきましたが、2020年以降の最新のメタアナリシスでは摂取タイミングによる効果に差はないことが報告されている。
2020年、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのWirthらは、65のランダム化比較試験を統合し、たんぱく質の摂取タイミングが筋肉量や筋力の向上に与える影響を分析した。
その結果、たんぱく質の摂取は筋肉量(除脂肪体重)の増加(成人+0.62kg、高齢者+0.46kg)には有効だったが、摂取タイミングによる明確な差は確認されなかった。また、筋力増強についても、摂取タイミングの違いによる有意な影響は認められなかった。
さらに、個別の研究でも、筋トレ前後のたんぱく質摂取が筋肥大や筋力増強に特別な影響を与えるという証拠は乏しく、1日の総たんぱく質摂取量のほうが重要であると結論づけられている(Wirth J, 2020)。
2023年には、華中科技大学のZhouらが、116のランダム化比較試験を統合したネットワークメタアナリシスを行いました。その結果、たんぱく質の摂取自体は筋肥大や筋力増強に有効であるものの、トレーニング前後や夜間といった特定の摂取タイミングによる影響は認められなかった(Zhou HH, 2023)。
これらのメタアナリシスの結果から、
たんぱく質の摂取タイミングが筋肥大に与える影響は限定的
筋トレの効果を最大化するためには、摂取タイミングよりも1日の総たんぱく質摂取量を適切に確保(1日に体重×1.6g程度)すること
が重要であると考えられる。
③「いいえ」
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の議論も長く続いてきたが、近年の研究では、その差はほとんどないことが示されている。
2018年、ポイント・ロマ・ナザレン大学のMessinaらは9つのランダム化比較試験を統合し、動物性たんぱく質(ホエイ、牛肉、乳製品など)と植物性たんぱく質(大豆)が筋肥大や筋力増強に与える影響を分析しました。その結果、両者の間に有意な差は認められず、植物性たんぱく質でも筋肉量や筋力を向上させる効果があることが示された(Messina M, 2018)。
2021年、Limらは18のランダム化比較試験を統合し、動物性たんぱくと植物性たんぱくによる筋肥大・筋力増強の効果を分析した。その結果、動物性たんぱく質の方が筋肉量の増加にわずかに有利(+0.22kg)ではあるものの、その差は統計的にほぼ無視できるレベルであり、また、筋力増強の効果は、動物性・植物性たんぱく質の間に明確な差は認められなかった(Lim MT, 2021)。
これらのメタアナリシスの結果から、
動物性たんぱく質も植物性たんぱく質も、必須アミノ酸が十分に供給されれば肥大を促進することができること
が示唆されている。
④「はい」
クレアチンによる筋力増強の効果については、多くの研究報告があり、現在では、その効果のエビデンスが確立されている。
2024年、北京体育大学のWangらは23のランダム化比較試験を統合し、クレアチンの摂取が筋トレによる筋力増強の効果に与える影響を分析した。その結果、クレアチンを摂取したグループは、摂取しないグループと比較して、上半身の筋力が平均4.43kg、下半身の筋力が11.35kg増強することが示された。
また、このようなクレアチンの筋力増強効果は男性に顕著であることが示された。男性では上半身の筋力が平均4.95kg、下半身の筋力が11.68kg増加しましたが、女性では有意な筋力増強は確認されなかった。これは、女性の筋肉内のクレアチン濃度がもともと高いため、クレアチン摂取による影響が小さい可能性があると考えられている。
クレアチン摂取による筋力増強のメカニズムとしては、以下の要因が。
筋肉内の総クレアチン量の増加により、ATPの再合成が促進され、高強度トレーニングの持続力が向上する。
筋たんぱく質の合成を促進し、筋肥大を助ける。
筋細胞内の水分保持が増加し、それが筋成長のシグナルとなる可能性がある。
さらに、クレアチンの摂取量として、1日2~10gまたは体重1kgあたり0.03~0.22gが推奨され、4~12週間の摂取で効果が得られるとされている。
これらのメタアナリシスの結果から、
クレアチンの摂取は筋トレによる筋力増強の効果を高めることが科学的に証明
適切な量を摂取することでより効果的な筋力向上が期待できる
と考えられる。
⑤「いいえ」
筋トレの前に炭水化物を摂取するとトレーニングのパフォーマンスが向上すると良く言われているが、最新のエビデンスでは、その効果はある条件下でのみ見られることが示されている。
2022年、ISRFのHenselmansらは49のランダム化比較試験を統合し、炭水化物の摂取が筋トレのパフォーマンスに与える影響を分析した。その結果、炭水化物の摂取がパフォーマンスを向上させた研究は6件のみで、大半の研究では有意な効果が認められなかった。
ただし、空腹時や1部位につき合計10セット以上のトレーニングでは、若干のパフォーマンス向上が見られる可能性があることが示唆された(Henselmans M, 2022)。
2022年、オークランド工科大学のKingらは21のランダム化比較試験を統合し、炭水化物の摂取と筋トレパフォーマンスの関係を分析。その結果、炭水化物の摂取はトレーニングの総負荷量を増やす可能性があるものの、短時間のトレーニング(45分未満)ではほとんど影響がないことが示された。また、十分なエネルギーを摂取している状態では、炭水化物の追加摂取による明確なメリットは確認されなかった。
さらに、炭水化物の摂取量とパフォーマンス向上には明確な関係がなく、多く摂取すれば効果が高まるわけではないことも示されている。加えて、炭水化物摂取後のトレーニングでは血中乳酸値が上昇し、疲労回復に影響を与える可能性があることも報告されている。
これらの結果から、
通常の食事を摂取している状態:炭水化物の追加摂取が即時的に筋トレのパフォーマンスを向上させるとは言えない。
空腹時や10セット以上のトレーニング、長時間(45分以上)のトレーニングの際:炭水化物の摂取が一定の効果をもたらす可能性がある
ということで、状況に応じて摂取を検討するのがよい。
⑥「いいえ」
「マグネシウムのサプリメントが筋肉のこむら返りを予防する」という謳い文句をよく見かけるが、これを明確に証明した科学的なエビデンスはない。
2020年、アルバータ大学のGarrisonらは11のランダム化比較試験を統合し、マグネシウムの摂取が筋肉のこむら返り(筋肉のけいれん)を予防または軽減する効果を分析した。その結果、マグネシウムを摂取しても、こむら返りの頻度、持続時間、強度に有意な改善は見られなかった。
とくに、高齢者(平均年齢61.6〜69.3歳)を対象とした5つの研究では、マグネシウムの摂取による効果がほとんど認められなかった。週あたりのこむら返りの回数がわずかに減少したものの、実質的な効果は確認されなかった。そのため、高齢者のこむら返りに対するマグネシウムの有効性は否定的な結果と。
また、運動による筋肉のこむら返りを防ぐ効果について調査したランダム化比較試験は見つかっておらず、運動時のこむら返り予防にマグネシウムが有効であるという科学的根拠はない(Garrison SR, 2020)。
これらのメタ分析の結果から、
マグネシウムの摂取が筋肉のこむら返りを防ぐ、または軽減する効果はほとんどない
一般的な予防策として推奨できるエビデンスは乏しい
と考えられている。
⑦「いいえ」
「筋トレをすると体がかたくなる(柔軟性が低下する)」と考えられがちだが、最新のエビデンスでは、筋トレによってむしろ柔軟性が向上することが報告されている。
2021年、ポルト大学のAfonsoらは11のランダム化比較試験を統合し、筋トレと静的ストレッチングが関節可動域(柔軟性)に与える影響を比較するメタアナリシスを行った。その結果、筋トレは柔軟性を低下させるどころか、ストレッチングと同等の柔軟性の向上効果があることが示された(Afonso J, 2021)。
さらに2023年、ニューファンドランドメモリアル大学のAlizadehらのメタアナリシスでは、55のランダム化比較試験を統合し、筋トレが関節可動域(柔軟性)に与える影響を検証しました。その結果、筋トレは関節可動域を有意に向上させる効果があることが示されました。
また、筋トレとストレッチングの柔軟性向上効果に有意な差はなく、両者を組み合わせてもストレッチング単独と比較して明確な優位性は見られなかった。特に、エキセントリックトレーニング(ネガティブ動作を伴うトレーニング)は、筋腱ユニットの適応を促し、柔軟性向上に寄与する可能性が高いと報告されている。
トレーニング未経験者は経験者よりも柔軟性向上の効果が大きいことが示されており、筋トレを取り入れることで初心者でも柔軟性を改善できる可能性が示唆されている。
一方で、自重トレーニングのみでは関節可動域の向上が見られなかったため、柔軟性を高めるためにはフリーウエイトやマシンを活用したトレーニングが有効であると考えられている(Alizadeh S, 2023)。
これらの結果から、
定期的な筋トレが柔軟性を低下させるというエビデンスはない
適切な負荷を用いた筋トレは関節可動域を向上させる効果がある
ことが示されている。
⑧「はい」
低負荷トレーニングでも、回数やセット数を増やし、総負r荷量(負荷×回数×セット数)を高めることで、高負荷トレーニングと同等の筋肥大効果を得られることが、2020年以降のメタアナリシスで明らかになっている。
2021年のジュイス・デ・フォラ国立大学のシステマティック・レビューでは、23のランダム化比較試験を統合し、低負荷(<67% 1RM)、中負荷(67~85% 1RM)、高負荷(>85% 1RM)のトレーニングが筋肥大に与える影響を調査した。その結果、低負荷でも回数やセット数を増やすことで、高負荷と同等の筋肥大効果が得られることが確認された。重要なのは、トレーニングを疲労困憊まで行うことで、低負荷でも十分な刺激を与えられるという点(Lacio M, 2021)。
2021年のリオグランデ・ド・スル大学のメタアナリシスでは、28のランダム化比較試験を統合し、低負荷(>15RM)、中負荷(9~15RM)、高負荷(≤8RM)のトレーニングが筋肥大に与える影響を分析した。この研究でも、負荷の大小に関わらず、疲労困憊まで行えば同程度の筋肥大が得られることが示された。ただし、低負荷トレーニングは高負荷トレーニングに比べて時間が長くなり、疲労が蓄積しやすいデメリットも指摘されている(Lopez P, 2021)。
さらに、2023年のマクマスター大学のメタアナリシスでは、119のランダム化比較試験を統合し、異なる負荷(低負荷<80% 1RM、高負荷≧80% 1RM)のトレーニングが筋肥大に与える影響を分析した。この研究では、低負荷でもセット数や回数を増やせば、高負荷トレーニングと同等の筋肥大が促進されることが示されている。とくに、週2~3回の低負荷・多セットのトレーニングは、高負荷トレーニングと同等の効果を発揮することが確認されている(Currier BS, 2023)。
これらのメタアナリシスの結果から、
低負荷のトレーニングでも回数やセット数を増やし、総負荷量を確保すれば、高負荷トレーニングと同程度の筋肥大を得られることが科学的に示されている。
低負荷トレーニングでは、適切なボリュームを確保し、筋疲労が十分に蓄積するまで行うことが必要であり、トレーニング時間や実施の負担が増える可能性も考慮する必要がある。
⑨「いいえ」
筋肥大とは対照的に、最大筋力の増強は、低負荷トレーニングで総負荷量を高めても、高負荷トレーニングの方が優れていることが、前述の3つの研究報告で明らかになっています。
2021年のジュイス・デ・フォラ連邦大学のシステマティックレビューでは、低負荷トレーニングでも総負荷量を増やせば筋肥大は促進されるが、最大筋力の向上には十分な負荷が必要であり、低負荷では高負荷トレーニングと同等の効果は得られないと報告されている。また、最大筋力の向上には神経活動の適応(運動単位の動員や発火頻度の増加)が重要であり、高負荷トレーニングの方がこの適応を強く促すことが確認されている(Lacio M, 2021)。
2021年のリオグランデ・ド・スル連邦大学のメタアナリシスでは、負荷が低くなるほど神経適応の刺激が不十分になり、最大筋力の向上が制限されることが示された。特に、高負荷トレーニング(≤8RM)では短期間での神経活動の適応が顕著に現れるのに対し、低負荷トレーニング(>15RM)ではこの適応が弱く、最大筋力の向上効果が限定的であることが指摘されている(Lopez P, 2021)。
2023年のマクマスター大学のメタアナリシスでも、高負荷トレーニング(≥80% 1RM)が最大筋力の増強にもっとも効果的であり、低負荷トレーニングでは回数やセット数を増やしても同等の筋力増強は得られないことが示された。低負荷トレーニングは筋持久力の向上には寄与するものの、最大筋力を増強させるには不十分であると報告されている(Currier BS, 2023)。
これらのメタアナリシスの結果から、
低負荷トレーニングでは回数やセット数を増やしても、高負荷トレーニングと同程度の最大筋力の増強は得られないことが科学的に示されている。
最大筋力を増強させるには、高負荷(≥80% 1RM程度)のトレーニングが推奨されている。
⑩「いいえ」
筋力増強や筋肥大の効果を決めるのは、週の総負荷量(負荷 × 回数 × セット数 × 週の頻度) 。つまり、週1回のトレーニングでも、十分な総負荷量を確保できれば、週に複数回行う場合と同じ効果が得られる可能性がある。近年のメタアナリシスでも、この点が一貫して示されている。
2018年のビクトリア大学のメタアナリシスでは、トレーニングの頻度と筋力増強の関係を分析した。週1回と週2回以上のトレーニングを比較した結果、頻度を増やすことで筋力が向上する傾向があったが、これは主に総負荷量の増加によるものと考えられた。週の総負荷量を統一した場合、トレーニング頻度の違いによる筋力増強の効果に有意な差は確認されなかった(Grgic J, 2018)。
また、2021年のサルフォード大学のメタアナリシスでは、トレーニング経験のあるアスリートを対象に、異なる頻度が筋力向上に与える影響を分析した。スクワットやベンチプレスの1RM(最大筋力)を指標として、週1回と週3回以上の頻度を比較したが、筋力向上の差は統計的に有意ではなかった。つまり、頻度を増やすよりも、総負荷量を適切に管理することの方が筋力向上には重要であることが示された(Cuthbert M, 2021)。
2019年のニューヨーク市立大学のメタアナリシスでは、筋肥大に対するトレーニング頻度の影響を検討し、25の研究報告を統合しした。その結果、週1回のトレーニングで十分な総負荷量を確保できるなら、週3回以上に分割しても筋肥大の効果に大きな違いはない ことが確認された。特に、上半身・下半身ともに、頻度を増やしても総負荷量が同じであれば、筋肥大の違いはほとんど見られなかった。このことから、トレーニング頻度よりも、週の総負荷量の確保が筋肥大には重要であると考えられる(Schoenfeld BJ, 2019)。
これらのメタアナリシスの結果から、
週の総負荷量が同じなら、トレーニング頻度を増やしても筋力増強や筋肥大に大きな違いは生じない ことが明らかになっている。
頻度は個人のライフスタイルや回復能力に応じて調整すればよく、無理に増やす必要はない。
頻度を増やすことで1回あたりの負荷を分散し、疲労を軽減できるため、継続しやすくなるという利点がある。
⑪「いいえ」
疲労困憊までトレーニングすること(セット終了時に挙上できなくなるまで追い込むこと)が筋力増強や筋肥大に必須であるという明確な証拠はなく、むしろ適度に余裕を持たせた方が効果的である可能性が、3つのメタアナリシスで一致した結論として示されている。
2021年、リオグランデ・ド・スル大学のメタアナリシスでは、疲労困憊まで行うトレーニング(RTF)とそうでないトレーニング(RTNF)を比較し、筋力増強、筋肥大、パワーへの影響を調査した。その結果、筋力増強に関しては、RTFとRTNFの間に有意な差はなく、むしろRTNFの方が有利である可能性が示された。これは、疲労困憊まで追い込むことで過度な疲労が蓄積し、トレーニング全体の総負荷量が減少するためと考えられる(Vieira AF, 2021)。
2023年、ディーキン大学のメタアナリシスでは、筋肥大における疲労困憊の影響を分析した。その結果、疲労困憊に近づくほど筋肥大の効果がやや向上する傾向が見られたが、その差は小さく、統計的な優位性はなかった。重要なのは、トレーニングの総負荷量であり、セットを完全に限界まで行うこと自体が筋肥大を促進する決定的な要因ではないことが確認された(Refalo MC, 2023)。
さらに、フロリダ・アトランティック大学のメタアナリシスでは、トレーニングの「リザーブ回数(RIR)」が筋力増強と筋肥大に与える影響を分析した。RIRとは「あと何回できるか」を示す指標で、例えばRIR2であれば「あと2回はできるが、それ以上は厳しい」状態を指す。
この研究では、筋力増強に関してはRIR1〜3を残した方が、トレーニングの総負荷量を確保しやすく、効果的であることが示された。一方で、筋肥大に関しては、RIRが少ないほど(つまり、疲労困憊に近いほど)効果が若干高まる可能性があったが、RIR1〜3を残してもほぼ同等の効果が得られることが確認された(Robinson ZP, 2024)。
これらのメタアナリシスの結果から、
筋力向上にはRIR1〜3を確保することで、無駄な疲労を抑えながら効果的にトレーニングできることが示されている。
筋肥大においても、RIR0に近い方がやや有利な可能性はありますが、RIR1〜3を残してもほぼ同等の効果を得ることができるため、必ずしも疲労困憊まで追い込む必要はない。
疲労困憊までのトレーニングは回復を遅らせる可能性があり、高頻度のトレーニングを行う場合には特に注意が必要になる。
⑫「はい」
フルレンジ(全可動域)とパーシャルレンジ(部分可動域)のトレーニングが筋肥大に与える影響について、「フルレンジのトレーニングは、パーシャルレンジよりも筋肥大に優れている」 という結論が、最新のメタアナリシスで一致して示されている。
2021年のムルシア大学のメタアナリシスでは、フルレンジとパーシャルレンジのトレーニングが筋力増強や筋肥大に及ぼす影響を比較した。その結果、フルレンジでのトレーニングは、特に下半身の筋肥大においてパーシャルレンジよりも有意に優れていることが示された。スクワットやレッグプレスといったエクササイズでは、膝を深く曲げるフルレンジの方が、大腿四頭筋の成長を促進する傾向があった。一方、上半身の筋肥大においては、可動域の違いによる影響は比較的小さく、特にパーシャルレンジの中でも伸張位(筋がもっとも伸びた状態)で行うトレーニングは、フルレンジと同等の効果を持つ可能性があると報告されている(Pallarés JG, 2021)。
2023年のロンドリナ州立大学メタアナリシスでは、フルレンジとパーシャルレンジのトレーニングが筋肥大に与える影響をより詳細に分析した。この研究では、フルレンジのトレーニングは、大腿四頭筋や大殿筋、上腕二頭筋の遠位部(筋肉の末端部分)において、パーシャルレンジよりも優れた筋肥大効果を示すことが確認された。また、特にフルレンジのスクワットやヒップスラストは、下半身の筋肥大を促進する効果が高いと報告されている。さらにフルレンジのトレーニングは、筋肥大だけでなく関節の可動域を広げ、機能的な動作の向上にも寄与する可能性があることも報告されている(Kassiano W, 2023)。
結論として、
フルレンジでのトレーニングは、パーシャルレンジよりも筋肥大に優れていることが科学的に示されている。
筋を伸張した状態でのパーシャルレンジのトレーニングも効果的であり、目的に応じた使い分けが推奨される。
筋肥大の最大化を狙う場合は、基本的にはフルレンジのトレーニングを優先しつつ、目的に合わせてパーシャルレンジのトレーニングを組み合わせることが望ましい。
⑬「いいえ」
筋トレによる効果の性差についてのメタアナリシスの結果では、男女差はないことが報告されている。
2020年のアラバマ大学のメタアナリシスでは、男性と女性が同じ筋トレを行った場合、筋肥大の効果に性別による有意な差はないことが示された。また、筋力増強に関しても、下半身の筋力においては男女差が認められず、同程度の割合で強くなることが示された。一般的に男性の方が絶対的な筋力は高くなりますが、それは筋肉量が元々多いためであり、トレーニングによる相対的な筋力増強率は男女でほぼ同じと。
一方で、上半身の筋力増強に関しては、女性の方が相対的に高い割合で向上する可能性があることが示された。これは、女性の上半身の筋力がトレーニング前の段階で比較的低いため、トレーニングによる適応がより顕著に現れることが要因の一つとして考えられる。
このメタアナリシスの結果から、
女性だからといって筋肥大や筋力増強の効果が低いわけではなく、適切なトレーニングを継続すれば男性と同じように効果を得ることができることが明らかになっている。
特に下半身のトレーニングにおいては、男女間でほとんど差がないため、性別に関係なく同じプログラムを実施しても効果的であると考えられる(Roberts BM, 2020)。
⑭「いいえ」
フリーウェイトとマシントレーニングのどちらも、筋力増強と筋肥大に対して同程度の効果があることが、最新のメタアナリシスによって示されている。
2023年のノード大学のメタアナリシスでは、フリーウェイトとマシントレーニングを直接比較し、最大筋力、筋肥大、ジャンプパフォーマンスへの影響を分析した。その結果、フリーウェイトはフリーウェイトの動作において、マシントレーニングはマシンの動作において、それぞれの筋力増強の効果が有意に高いことが示された。つまり、トレーニングの効果は実施するトレーニングの種類に依存する「特異性の原則」に従うため、どちらの方法も同じ運動で測定すれば、ほぼ同じ筋力向上が得られることが分かったのだ。
また、筋肥大に関しても、フリーウェイトとマシンのどちらを用いても統計的に有意な差は認められず、両者とも同程度の筋肉量の増加が見られた。
一方で、フリーウェイトのトレーニングはより大きな安定性の要求があり、補助筋の活動が増えるため、多関節トレーニングの総合的な筋力増強には有利である可能性があるとされている。逆に、マシントレーニングは特定の筋肉に負荷を集中させやすく、ターゲットとなる筋肉を狙ったトレーニングには適している。
結論として、
フリーウェイトとマシントレーニングは、筋力増強および筋肥大の効果において大きな違いはないため、目的や好みに応じて選択するのが適切。
フリーウェイトは全身の筋肉を連動させる動作に適しており、マシンは特定の筋肉を重点的に鍛えるのに適しているため、目的に合わせて選択するのが良い(Haugen ME, 2023)。
私でも「?」なことが多かったですが、これらが新常識ということでした。
無理ない程度にだけど、時には厳しくもしないとだらけてしまうからね。
アラフォーでもがんばる!!!