Mです、こんにちは。
今回は、
「JWを知らない医者やカウンセラーではどうせわかってもらえないだろう・・・」
「JWに詳しくない専門家では相談しても意味がない・・・」
・・・そんなふうに思っておられる方にぜひご覧いただきたい記事です。
・・・その前に、恐縮ながらご案内です。
「JWカウンセリングについてのご案内」を更新させていただきました。
◆エホバの証人(JW)・洗脳・キリスト教のことでお悩みの方やご家族のカウンセリング
→https://ameblo.jp/m-think/entry-12077706093.html
このご案内の中で、これまで(2017年まで)と大きく異なるのは以下の3点です。
- 初回面談では可能な限り保護者様や配偶者様との同伴をお願いしていること
- 相談をお受けできない場合(当方ではカウンセリングできない方)を明記させていただいたこと
- 「JW(エホバの証人)」だけでなく「洗脳」や「キリスト教」関連のお悩みにも場合によって対応可能とさせていただいたこと
・・・よーく読むと他にもちょこちょこ変更させていただいた点はあるのですが(~_~;)大きな変更点は以上の3点です。
そんなこともありまして、
「JW専門だから相談しようと思っていたのに、これじゃどこに頼めばいいのか・・・」と感じてしまわれた方の中でも
「JWを知らない医者やカウンセラーではどうせわかってもらえない」
「JWの事情がわからない医者やカウンセラーに相談しても意味がない」
・・・などと思っておられる方に、
少しでもお気持ちを楽にしてもらうための記事です。
JWをよく知らない医者やカウンセラーとの治療開始への不安
「お医者さんやカウンセラーがJWの専門家じゃなくても相談して大丈夫?」というお声。
結構な頻度でお聞きします。
JW関連の悩みであっても、JWのことをよく知らないお医者さんやカウンセラーさんでは心理的な治療はできない・・・ということは決してありません。
お医者さんやカウンセラーにできること
心因性の症状や心の悩みに対する医療行為は、現状を医療的に把握し薬物療法など必要な治療をするものであり、
カウンセラーによるカウンセリングは、感じたこと・思ったことをどう捉えるか、を客観的に見つめ直し、今後に活かしていくプロセスです。
JW特有の教理や親子関係と、医療行為・心理臨床行為(こころの治療)について
JW、エホバの証人の組織には確かに特殊な教理があります。
ですが、
医療行為や心理臨床行為、すなわち医療や心理の治療においては、特殊な教理そのものを治療者が詳しく知っているかどうかはそれほど大きな問題ではないと私は考えています。
もちろん、JWをよく知る専門家ならば、特殊な教理やそれらによって生み出されることのある親子関係について、一から説明をせずに済みます。
が、
大切なのは、というか治療に必要なのは、患者さん・相談者さん、個人個人がそれらの教理や親子関係をどのように体験しどのように感じ考えたか、というところなのです。
その問題、実はJW以外の要素!?
JW関連のお悩みの心理相談を重ねていく中で、わたしが非常に強く感じることは・・・
「JWのことを知らない医者やカウンセラーでは、自分の治療はしてもらえない!」
という思いが強ければ強いほど、
その方の問題や課題は、JW以外の要素が強く影響している・・・ということです。
・・・このことを書くのはちょっと悩みましたが、一情報としてとらえていただければ幸いです。
どんな悩みでも根っこは同じかと思います。
「男には女の悩みはわかんないわよね」的な考え方と同じです。
でもそうだとしたら、男性カウンセラーは女性相談者さんの心理相談は受けられないことになってしまいますね。
「いや、JWは違うでしょ!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここ、結構大事なところなんです。
「わかってもらえているかどうか」が心配なのはなぜか
JWのことを話していく中で、お医者さんやカウンセラーさんに「わかってもらえているかなぁ」「もしかしたらちゃんとわかってもらえていないんじゃないか」と思うこともあるでしょう。
その「わかってもらえているか心配な思い」をそのまま伝えてみることが大事です。
そこから、お医者さんやカウンセラーさんとの新たな、そして大切な、心理的信頼関係が生まれるでしょう。
治療にとって非常に効果のある、特別な信頼関係です。
「JWのことをわかってもらえないと治療にならないんじゃないか」
という不安は、
「自分のこと(心や存在そのもの)をわかってもらえているかどうか」
につながっているように思うんです。(個人差はあります。当てはまらない人もいます)
これが、先ほど、
「JWのことを知らない医者やカウンセラーでは、自分の治療はしてもらえない!」
という思いが強ければ強いほど、
その方の問題や課題は、JW以外の要素が強く影響している・・・
と書かせていただいた理由です。
JW特有の「存在意義のあいまいさ」の不安
私は、JW出身の方には「存在意義のあいまいさ」によって不安な方が非常に多いと感じています。
エホバの証人1世の方は、もともと自分の存在意義を知りたくて、もしくは存在意義のあいまいさがもともと不安で、研究生→JW的洗礼、という流れになった方が少なくないと思います(かなり無意識的な範疇になると思いますので自覚されているかは不明です)。
エホバの証人2世もしくは3世の方は、基本的に「存在意義の薄さ」を刷り込まれているように思います。
「絶対的な神がおり、自分はその被造物でしかない」
・・・このエホバの証人的(だけでなく、ある意味ではユダヤ教・キリスト教的でもある)概念は、人によっては支えになることもあります。
しかし、反対に、性質・性格によっては、
「じゃあ自分ってなんなの?」
といったような
「存在意義の薄さ、あいまいさへの不安」
が大きく感じられることもあります。
そのようなエホバの証人さんがJWから離れると、中には「存在意義のあいまいさ」が「自分をわかってほしい」という強い欲求に変化することがあります。
そもそも、存在意義って・・・
ですが・・・
ここまでの記事を共感をもって読んでくださっていた方にはもしかしたら流れをぶったぎってしまうかもしれず申し訳ないのですが、
「存在意義」は本当にあいまいなものだとわたしは考えています。
確実な存在意義なんてない、と思います。
誰も、自分の存在意義なんてわからないし、決められない。
考えて、悩んで、自分にできることを見つけ、その都度切り開いていくしかないものなのではないでしょうか。
「JWをやめた!よっしゃ!自分の存在意義を見つけなきゃ!」・・・などとやっきになってしまうと、ドツボにハマることになりかねません。
無意識のうちに「わかってもらいたい願望」が強まって、自分にぴったりの医者やカウンセラーを見つけなければ気が済まなかったり、
医者やカウンセラーに限らず、学校や職場でも「わかってほしい」を文字通りあるいは比喩的に、連呼してしまったりする場合もあるでしょう。
すると、
せっかくJWから離れたのに、
せっかく自由になれたのに、
自ら「世」で浮いてしまう人になりかねません。
自らを自らで縛る状態に、なってしまいかねません。
自責的な人・他責的な人の「強い『わかってほしい』願望」から生じる二次障害
そんな状態が長く続くと、二次障害も心配です。
例えば・・・
自責的な人ですと、
「わかってもらえないのは自分がわるいせいだ」
といったふうに、攻撃の矢印が自分自身に向いてしまい抑うつ感や孤独感が強まるかもしれません。
他責的な人ですと
「やっぱり自分はわかってもらえない」
「JWを強いてきた親のせいだ」
などと、より自分以外のものや人を責める方向へと、さらに認知が歪んでしまう可能性も出てきます。
こじらせてしまうと、かなり長い期間、複数の専門家と連携しながらの治療が必要になってくることもあります。
100パーセントわかってもらうのは絶対に無理・・・とわかることが大事
「わかってもらう関連」において、もうひとつ大事なことがあります。
「自分の気持ちを100パーセントわかってもらうこと」はどんな相手でも絶対に無理です。
また、
「JWに所属していた自分の事情や気持ちを100パーセントわかってもらうこと」は、たとえJWの専門家だとしても無理です。
「自分の気持ちを100パーセントわかってもらうことは無理」だと「わかること」「実感できること」が、心理的治療の大事なステップです。
「わかってもらいたい」「わかってもらえなくちゃ困る」は自分しか見えていない状態
JWに長く所属しておられた方のうち、もともと「ゼロか百か思考」の強い傾向のある人は、「わかってもらえなくちゃ困る」という感覚が強いことが多いです。
この、ゼロか百か思考の方、白黒つけないと気が済まない傾向は、JWであろうがなかろうが、人間関係にトラブルをきたしやすくなります。
自分のことしか見えなくなることが多いためです。
周りにしっかり目を向けることが大事です。
そして、周りの人の適度な共感へのありがたみを感じることが「心の成長」の最初のステップとなり、主観と客観のバランスをとっていくことがさらなる目標となるでしょう。
ゼロか百か思考傾向の方や白黒つけないと気が済まない方は、医療や相談においても
「わかってもらえなくちゃ困る」
から
「なんとなくわかってもらえた気がする・・・それでいいんだ、それで十分なんだ」
という感覚に移行することがとても大事なプロセスとなります。
専門家は責任持って対応します
お医者さんもカウンセラーさんも、患者さん・相談者さんの課題や問題が何であれ、しっかりと対応してくれます。
また、対応しきれないと判断した場合は、より状況に適した別の機関へとうながしてくれます。
専門家は皆、その人の専門性の中で責任持ってあなたの力になってくれます。
本ブログの「JWカウンセリングのご案内」をお読みいただいて「自分では受けられない」と思われた方、
当方に連絡くださった後、ごめんなさいメールを受け取られた方、
本当にごめんなさい。
これまで、
JW関連、洗脳関連、キリスト教関連・・・
いろんな相談に対応させていただいてきました。
JW専門のカウンセラーなんてそうそういないんだから(しかもJWを必ず抜けさせるとかJWをまるっきり悪者にするとかそういうタイプでなくてニュートラルに対応する系のカウンセラーはかなり少ないんだから)・・・などと自負し、
とにかくどんな経緯の方に対しても、役に立てるだけ立たなければ・・・と思っているフシもありました。
その中で、当方の提供できる治療構造や機能では責任持って対応しきれないことが予想される場合は、カウンセリングを開始しないこと・・・それが、最も相談者様のリスク回避につながることが多々あると痛感してきました。
恐縮ながら、ご了承いただければ幸いです。
「JWカウンセリングのご案内」の最後の方に、当方以外の相談機関(につながる機関)を記載させていただきました。
適度に信頼できるお医者さんやカウンセラーさんが見つかることを願っております。
・・・わたしが願ったりなどしなくても、お医者さんやカウンセラーさんと心理的信頼関係が築ければ必ず心は整理され、心理的な成長につながります。
自分を信じて、周りの人の声をしっかり聞いて、
適度な協調性と適応性をもって、
ご自分なりの道を歩んでください。応援しています。
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臨床心理士M
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2018/7/4 更新