こんにちは、Mです。
エホバの証人の出版物を自由に&心理学的に分析するコーナーへようこそ。
★当コーナーの説明はこちら
→「自由に&心理学的にJW出版物を読む」スタート ~試論と内容説明~
本来なら、出版物の本文から答えとなる部分を探す脚注の質問に、本文を見ないで自由に答えていきます。
今回は、
『聖書は実際に何を教えていますか』
第2章「聖書―神からの書物」その1。
章タイトルの下の見出しについてです。
Photo Credit: Howdy, I'm H. Michael Karshis Flickr via Compfight cc
JWの出版物を読んでいると
「聖書の〇章△節をそういうふうに解釈しちゃうの?」
という感覚を、すごくたくさん抱きます。
エホバの証人の導入書(?)である「黄色い本(聖書の教え)」も、
章が進むにつれてJW独自の解釈への疑問点が増えてきます。
「ほんとにぃ?」
とか
「いや、自分はそうは思えないけどな・・・」
といった、ご自身の感覚を大切にしていってください。
私のこのブログに書いてあることにも
どんなことでもどんどん自由に感じながら、
読んでいってくださいね。
それでは行ってみよーーー☆
あ、一応リンク貼っときますね。
章タイトル下の見出しがすでに・・・
前置きが長くて申し訳ありませんが、
本文の質問→答えに取り掛かる前に、
まず章タイトルの下の見出しを見てみましょう。
3つ、見出しがありますね。
聖書は他の本とどこが違うのでしょうか。
聖書は個人的な問題に対処する上でどのように役立ちますか。
聖書に記されている預言が信頼できるのはなぜですか。
いかがですか。
自分のナチュラルな感覚を大切に、よーく読んでみてください。
いずれも、「前提がすでにある質問」だということに気づかれると思います。
ひとつずつ丁寧に見ていきましょう。
聖書は他の本とどこが違うのでしょうか
ひとつめ、
「聖書は他の本とどこが違うのでしょうか」
こちらは、
「聖書は他の本と違う」
ことが前提になっています。
ですが、聖書が他の本と違うかどうかは一般常識ではありません。
JWの解釈です。
「聖書は他の本とどこが違うのでしょうか」
この見出し(テーマ)に沿って本文を読んでいく・・・その作業そのものが、JWの解釈の刷り込みになっています。
自然な聖書の研究にしたいのならば、
「聖書は他の本と違う。どこが違うのだろう?」
という進め方では洗脳的です。
「聖書はどんな本でしょう?」
というふうに始め、
その上で読んだ人が聖書をどうとらえるか・・・が真の意味での聖書研究になるはずです。
「聖書は他の本とは違うんですよ。どこが違うと思いますか」と進めるのは、
初心者に対してかなり自由度の低い研究方法であり、フェアとは言えません。
2つめ3つめの見出しも同様です。
聖書は個人的な問題に対処する上でどのように役立ちますか
ふたつめの「聖書は個人的な問題に対処する上でどのように役立ちますか」
こちらの見出しは
「個人的な問題に対処するときに聖書を使うべきだ」
という刷り込みになってしまいます。
聖書を読んだ人が自然と「聖書のこの部分は自分の今の問題に役に立つのではないか」と感じて応用してみる・・・というのが、ナチュラルな聖書との向き合い方、信仰の在り方と言えるのではないかと思います。
このような記述を初心者用の冊子にサラッと書けちゃう・・・という点だけ見ても、
信者の個人的な問題にすんごい介入してきそうな組織だなぁと思いますね。
聖書に記されている預言が信頼できるのはなぜですか
みっつめの「聖書に記されている預言が信頼できるのはなぜですか」
こちらの見出しも、
「聖書に記されている預言は信頼出来る」ことが前提になっています。
「信頼しない」という選択肢が与えられていません。
いかがなものでしょうか。
気の弱い人や宗教に畏怖心を抱いている人なら、
「信頼しなきゃダメなんですか」とか
「信頼していいとは思いきれないんですが・・・」
とは訊きづらいでしょう。
この訊きづらさを表現せずに、JWの出版物を受け入れるようにしながら研究を重ねることが、洗脳になってしまいます。
まぁ、もしかしたらほんとに預言になってるものもあるかもしれませんが、
全部が全部信じられるものでもないし、
明らかに精神的にイッちゃってるみたいな記述や
どういう意味にも取れるじゃん・・・みたいな記述も
預言カウントされてるなぁと思います。私はですが。
最初から「信じようね」「信じるべきだから」として進められたならば
それは本当の意味での信仰につながるんだろうか・・・?
というふうに、疑問に思います。
『聖書は実際に何を教えていますか』という本なんだからしょうがない?
この出版物の書名が『聖書は実際に何を教えていますか』というものなのだから、聖書がどういう本なのかある程度前提にして書かれていてもしょうがないじゃないか・・・という意見もあるかもしれませんが、
・・・なんていうか、根本から否定するようで恐縮なのですが、
こういうテーマの出版物を使って聖書研究を進めようとしていること自体が、違うんじゃないか・・・と思うんです。
聖書そのものを読んで感じ取ること、学ぶことが「聖書が実際に何を教えているのかを学ぶ」ということであって
(今書いていて思いましたが聖書が「教えている」という記述も結構前提が入ってますね)、
別の言葉に置き換えられたり偏った解釈が入ったりしている「聖書以外の本」を読んでも、
いち解説書を読んだにすぎないわけで、
「聖書以外の本」を読んでも、「聖書が何を教えているか」を学んだことにはならないと思います。
だったら、最初から聖書だけを、ガチで読めばいいわけで・・・。
たぶん、ここで、エホバの証人さんたちは
「でも聖書って難しいじゃないですか」
とか
「ひとりで読むのは大変だから、手引書が必要なんです」
とかおっしゃると思います。
が、
聖書が難しいかどうか
ひとりで読むのが大変かどうか
手引書が要るかどうか
決めるのは、聖書に向き合おうとする本人であって、
それを最初から「難しい」「ひとりでは大変」「手引書が必要」というのは
聖書を学ぼうとする人の邪魔でしかない、と思います。
特に「手引書が必要」って、意味わかんないでしょ。
冷静になってよーーーく考えれば。
聖書自体、どんな人が書いたかよくわかんない本なのに、
さらによくわかんない人たち、カルト扱いすらされてる組織の人たちが書いた手引書で聖書を学ぶなんて危険極まりないと思います。
聖書とJW出版物の関係について、
今の私の感覚で簡潔に申し上げるならば・・・
聖書をチョロッと引用しただけで、「JWの本で聖書を学んでね」というのでは、
お見合い写真だけ見て一気に結婚を決めるようなもので、
リスク高すぎ!と感じます。
しかもそのお見合い写真、フォトショでがっつり修正されてるかもしれないんですよ。
ちゃんと、本人と会わないと。危険です。
*
そんなわけで、
JWの出版物は、見出しにも気を付けてみてくださいね。
個人の自然な感覚を摘み取り、洗脳するつくりになっています。
ちなみに、1章「神に関する真理とは何ですか」の見出しは、2章ほどではないんですよ。
神は本当にあなたのことを気遣っておられますか。
神はどのような方なのでしょうか。神には名前がありますか。
神に近づくことはできますか。
微妙に前提ありっぽい感じは受けますが、
聖書は他の本とどこが違うのでしょうか。
聖書は個人的な問題に対処する上でどのように役立ちますか。
聖書に記されている預言が信頼できるのはなぜですか。
↑こちらが2章の見出しですけれども、
明らかに2章のほうが、具体的に前提を設定しており、洗脳っぽい感じがあります。
さらに章が進んでいくと、
前提だけでなく、学び終えた後の感情すら強制されます。
例えば、
贖いに対する感謝をどのように示せますか。(第5章)
感謝をするかどうかは、読んだ人が決めると思うんですが、
「感謝をどのように示せますか」って・・・
いや、何か言葉も出ませんが、
これ、すごい洗脳っぽいと思います。
「贖いについて学んだら感謝しなさいよ!」って言っているわけですから。
そんなん、個人の勝手でしょう。
もうひとつ見てみましょう。
死について本当のことを知ると、慰められるのはなぜですか。(第6章)
こちらも「死について知ったら慰められなきゃいけない」と強制してます。
「本当のこと」も、本当に「本当のこと」なのかはわからないですし
(カトリックやプロテスタントでは死後の世界はJWとは違う解釈をしているようですし)
「慰められるのはなぜですか」って・・・
また、どういう言葉で表現していいかわかりませんが、
洗脳じゃん・・・
としか言えません。
贖いを知って感謝しない人も、
死について慰められない人もいるでしょう。
このようにしてJWの研究生は、自然な感覚、感情を徐々に奪われていくのだなぁ・・・とつくづく思いました。
気を付けていきましょう。
*
オリジナルな主観と、出版物への客観性をキープするように気を付けて、
良い意味で批判的に読んでいけば、
見出しを眺めるだけでもなかなか面白いですよ。
「おぉー、ずいぶん盛ったな!」
「おいおい、そんなの聖書筆者もびっくりだよ」
「そんなことまで聖書に書いてあるって言っちゃっていいの!ヤバくね?」
とかね。楽しめます。
・・・本文に入ろうかと思ったのですが、
見出しのことだけでずいぶん字数を費やしてしまったのでこの記事はここらへんでUPしておこうと思います。
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