柴山薫を偲ぶ | けものみち

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漫画家・高岩ヨシヒロのブログです。
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劇画『一つの戦史』國の防人【展転社】にて連載中です。
代表作は『松田優作物語』【秋田書店】

漫画家・高岩ヨシヒロのblogです。
時々、思いついた事をつらつら書いております。
『國の防人』(展転社/刊)にて劇画『一つの戦史』連載中
代表作は『松田優作物語』(秋田書店/刊)
Webではこちらで読めます。↓
https://medibang.com/bookstore/titles/6kbs340000003662600000000000a/volumes/


1980年代、月刊少年ジャンプ連載作家の中でも、美少女系アクション漫画路線で読者の人気を博した柴山薫という漫画家が居た。


代表作は『チャラ!』『ライバル』『爆骨少女ギリギリぷりん』などがある。

彼は2007年に43歳の若さでこの世を去った。

 

ボクが柴山さんについて語れることは、実はあまりないのだけれど。

 

一度だけ漫画家さんのホームパーティーに招かれた時だった。
やたらデカイ体格だが、口数少ない男が、八王子から葛飾のボクの家まで、愛車のHONDAビートで送ってくれた。

 

現在の自分には考えられない事だが、驚く事に、家に着くまでお互いに車の中では何も話さなかった!

 

お互いに口下手なのか、社会的常識に欠けていたのか、それとも八王子のパーティーに疲れ切っていたのか、兎に角ただひたすら沈黙あるのみの帰路だった。

 

狭い車内でお互いのタバコにむせつつも、車の中でずっと「ガソリン大丈夫かな」と、何度も残りの燃料を心配する彼だったが、深夜でもあるし、ほとんど外出しない自分が、手際よくガソリンスタンドに彼を誘導する事も無く、自宅に着いて別れ際にお礼を言い(送ってもらったガソリン代どうしよう?)と逡巡してるうちに「じゃあ!」と勢いよく走り去ってしまった車を見送りながら、それ以降ずっと柴山薫にはモヤモヤした念を抱えていた。それがボクと柴山薫の関わりのすべてだ。

 

 

彼の訃報を聞いたときに、こちらは週刊連載中で時間的余裕がなく、葬儀にはでられなかった事もあって、”借り”みたいな気持ちがどんどん膨れ上がっていったのだが、今回ようやっと柴山さんの供養が出来てホッとしてゐる。

そして、墓参りの後は近くの温泉旅館で宴会。
当時の月ジャン作家たちも集まり、お互いの変わりようやら、変わらなさやら、懐かしく話が出来た。

【参加メンバー】
稜之先生 平野先生 浅田弘幸 おおめ裕一 押山雄一 坂口いく 瀬崎先生 橋本孤蔵 矢口先生 高岩ヨシヒロ(一部敬称略)