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この物語は
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリングを
テーマにした架空のお話です。
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリングを
テーマにした架空のお話です。
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131 妻の心に引っかかっていたこと
「あのー、せっかくの機会なので・・・
もう一つ心に引っかかっていたことが
あるのですが・・・」
妻が遠慮がちに言った。
「どんなことでしょうか」
カウンセラーが話を促がす。
「実は・・・カウンセリングに来ることが
途中から辛くなってしまって・・・」
カウンセラーが静かに頷く。
「主人が明るくなっていくのは
とても嬉しいことなのですが
自分が惨めになるというか・・・」
「惨めになる・・・」
カウンセラーが妻の言葉をなぞる。
「先生に対して
主人は信頼を置いているようですが
私にはあまり心を開いて
くれていなかったというか・・・
自分なりに主人を支えようと
努力をしてきたのに
落ち込んでいた主人が
先生と話していると
みるみる変わっていくのを見ていて
自分の存在は何だったんだろうって
思ってしまって・・・」
妻がそんなことを考えていたなんて・・・
大切な存在に決まっているじゃないか!と
叫びたい衝動に駆られた。
カウンセラーは
妻の気持ちに寄り添うように
何度も頷いていた。
「こんなことを思ってしまう
自分が嫌になってしまって・・・」
「辛い思いを、させてしまったみたいですね。
申し訳なく思います」
カウンセラーは頭を下げた。
「いえ!先生のせいじゃないんです。
ただ、こんな自分が惨めで・・・」
「奥さんが今感じていることは
とても自然なことだと私は思います。
ご主人を愛しているからこそ
役に立ちたいと思うし
役に立てないと感じることは
とても辛いことでしょう。
ここで奥さんに知っておいて
ほしいことがあります。
あなたがご主人と私の
カウンセリングを支えている
ということです」