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アウシュビッツの監視官として収容所の隣に住んでいたルドルフ

広大な敷地に妻は庭造りに力を入れていた。

叫び声や銃声が聞こえる屋敷で彼らは平然と暮らしている。

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2024年6月22日

映画館 キネマ館

 

20世紀最大の悪行の一つであるユダヤ人虐殺。

その大きな舞台となったアウシュビッツ収容所はドイツ降伏後に存在が明らかになり、ナチスの絶対悪を決定づけました。

 

そして21世紀はそのユダヤ人がガザ地域への虐殺を行っているのは、優位な立場は狂気を加速させるようで。

 

本作はそんなアウシュビッツの隣に暮らす一家の話。

一見幸せそうですが、ところどころ狂気が見え隠れしています。

また、今年のアカデミー賞の国際長編映画賞を受賞したことで話題になりました。

 

ポイント

 

本作のポイントはヒトの見方。

 

アウシュビッツの監視官として就任したルドルフは収容所の隣に住むことに。

それから数年後、豪邸に住み広大な庭は妻のヘートヴィヒが理想の庭造りに勤しんでいた。

何不自由なく暮らしていたルドルフ、しかし彼に転属の命令が出てしまう。

 

果たして彼らの生活はどうなってしまうのか?

 

一見幸せな暮らしですが、終始叫び声と銃声がこだますという中々狂気なお宅。

なお、ユダヤ人に無関心かと思いきや、メイドはユダヤ人だし、宝飾品はユダヤ人からはぎ取った物なので、かなりの奴隷扱いです。

まあ、当のルドルフもユダヤ人の娼婦に手を出して、事が終わったらせっせと洗っていましたが。

 

見どころ

 

見どころは中盤、花の色彩。

かなり不協和音が鳴り響きながら庭の花が映されるのですが?

正直トラウマになりそうな色彩となっています。

 

気になった点

 

気になった点は後半は舞台が変わってしまう事。

後半はアウシュビッツから離れてしまうため、設定の奇抜さが薄まってしまうのは難点かと。

本来ならばオチはソ連軍によるアウシュビッツ解放に伴い庭が荒らされるという展開になるはずですが、そういった要素が無いのも残念かと。

(ロシアを出す事を問題にしたかもしれませんが)

 

終始不気味な狂気に支配されている本作。

正直作品としては物足りなさはありますが、視点としては面白いかと。

人類の愚かさを思い知らされる作品であることは確かです。

 

 

 

アウシュビッツ同様収容所だったアウステルリッツ、そこが観光地かされ、その様子を映した作品です。