ユダヤ人の強制収容所だったアウステルリッツ
その場所は現在、悲惨な歴史を教える場となっていた
そして、観光地となったアウステルリッツには多くの人が集う
鑑賞日 2021年2月4日
映画館 キネマ館
人間の歴史には悲惨なものも数多くあるもの。
そして歴史はその過ちを繰り返さないために存在するといっても過言ではなりません。
本作はそんな凄惨な劇事が行われていた場所を題材としたドキュメンタリー映画。
とはいえ、凄惨な出来事は過去の話、今では観光客が押し寄せる人気観光地となっていた?
本作はセルゲイ・ロズニツアの群衆シリーズの一作となっています。
本作のポイントは観光地化した強制収容所。
第二次世界大戦中、ナチスによりユダヤ人の強制収容所だったアウステルリッツ。
その場所は凄惨な歴史を伝える場として、建物の多くが残され、その記憶をとどめる場所となる事に。
そして今日、その場所は多くの観光客が訪れる人気観光地になっていた。
歴史を満喫するため押し寄せる観光客、その目に凄惨な歴史は何を語るのか?
他の群衆の作品と同様、人々を中心としたドキュメンタリー映画。
とはいえ、本作は他の2作(国葬、粛清裁判)と比べ、舞台が現在であり、凄惨な歴史の様子を収めたものではありません、
とはいえ、現場は凄惨な事が行われていた場所、それを観光地といsて人が押し寄せる様子は何かのずれを感じずにはいれません。
見どころは前半、アウステルリッツ入口。
「働けば自由になれる」という標語が書かれた入口。
勿論働いても自由になれなかったのですが、その門に向かって多くの人々が施設に入っていく。
まさに本作の矛盾を象徴するシーンとなっています。
気になった点は・・まあ、言うまでもありませんが非常に間延びしている事。
基本変わり映えのしない映像を流されるだけなので、眠気が・・
特に中盤の施設の廊下辺りは、映像も音も眠りに誘い気にきます。
まあ、群衆シリーズは寝ても良いモノと考えるべきかも。
時折、ガイドによる説明の声が混じるのですが、この場所の歴史を知ることが出来るポイントとなっています。
先に書いた通り歴史をする事は非常に重要な事、とはいえそれが観光化することに違和感を感じるものとなっています。
ガイドの説明で紹介されていたためチョイス。
強制収容所で遺体処理をさせられていたゾンダーコママンドだった男が自分の息子を埋葬するため奔走する話。
救いもへったくれも無いのですが、ワンカットのような演出は緊張感に溢れています。