母の大切な指輪を無くしたとして罰を受けたリンダ
だが誤解と判明、お詫びとして亡き父のチキン料理を要求
ところがストライキに煽りを受けお店でチキンが買えない!?
鑑賞日 2024年6月26日
映画館 キネマ館
誰しもあるであろう思い出の味。
子どもの時食べたアレが美味しいかったなぁ、大枚はたいて場違いな高級店で食べたコレも美味しいかったなぁ等。
本作はそんな思い出の味を巡る話。
・・のハズなのですが、トラブルが雪だるま式に膨れ上がってしまう展開となっています。
なお、フランスのアニメ映画となりますが、非常に個性的な描写となっています。
ポイント
本作のポイントは思い出のチキン料理が食べたいだけなのに・・
物心つく前に父を病気で亡くし、母親のポレットが女手一つでそだてられたリンダ。
そんなある日、ポレットが大切にしていた指輪が無くなり、リンダが無くしたと思い込んだポレットは激怒しリンダを叩いてしまう。
ところが、猫が飲み込んでいたことが分かりポレットはお詫びしようとしたところ、リンダは父が作ったパプリカチキンを要望。
料理が不得意ながらも渋々了解したポレットだったが、国全土に波及したストライキによりスーパーが軒並み閉店。
切羽詰まったポイントは鶏の飼育を行っている家から盗み出すが、そのことが警察に見つかり追われてしまう事に。
果たしてリンダは思い出のチキン料理を食べることが出来るのか?
元気いっぱいでちょっと生意気なリンダとそんな娘に手を焼く母親のポレットの物語なのですが、話が進むにつれ関連する人々がどんどん増えていき、リンダの友人や警官、ポレットの姉(リンダの叔母)、トラック運転手と人物が増えるにつれ状況が混沌としていく展開に。
お涙頂戴なシーンもありますが、基本コメディ作品なのでその点も楽しめる内容となっています。
見どころ
見どころは中盤、姉の心の叫び。
ポレットの姉(リンダの叔母)であるアストリッド。
本来は穏やかな性格(のはず)だけど、妹のポレットに対しては昔から迷惑をかけられてきたようで。
まさかの歌のシーンとなっているのですが、合いの手が酷いです。
気になった点
気になった点はお気に入り指輪が前半以降存在感が無くなってしまう事。
事件の発端となった指輪ですが、中盤以降はそれどころで無くなってしまうのか出番が無くなってしまいます。
日本のアニメになれていると本作の独特なアニメに違和感を感じてしまいますが、色でキャラクターが判断できるなど個性のつけ方も非常に面白い本作。
落としどころも非常に微笑ましく、大人も子どもも楽しめる作品となっています。
日本以外のアニメを見たいという人もオススメです。
雰囲気が似ている作品としてブラジルの会社が製作した「父を探して」。
出稼ぎに行ったっきり帰ってこない父を追う話ですが、アメリカからもたらされた新自由主義にズタボロにされたブラジルの悲哀がこもっています。