底辺に紛れる バッド・ランズ | Mの国より愛を込めて

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大阪で振り込め詐欺のサポートをしていたネリ

そんな折、弟のジョーが仕事を失敗し尻ぬぐいをする事に

一方、警察以外にネリの動向をつける一味がいた

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2023年10月25日

映画館 セントラル

 

PG12対象

 

 

過度な流血

 

中々撲滅できない振り込め詐欺。

なけなしの老後の資金を奪い取るというまさに鬼畜外道の所業ですが、あの手この手の騙しのテクニックで今日も被害が出ています。

 

ゴーカイシルバー・・

 

本作はそんな振り込め詐欺の要をしている人物の話。

しかし、過去の因縁とトラブルに巻き込まれるという裏社会のさらに下が見えてくる作品となっています。

 

本作のポイントは底で生きる。

振り込め詐欺で作戦実行の可否を決める役割を担っていたネリ。

ボロアパートに住み着く浮浪者たちの世話を見るなど面倒見の良さもありまとめ役となっていた。

そんな折、弟のジョーが怪しげな一味を通じて殺しの仕事を請け負うも失敗、そしてあろうことかネリの上役から金を奪おうとし、ネリの協力もあり上役を殺害する。

残された莫大な資産を手に入れようとするネリとジョー、一方振り込め詐欺でネリが捜査対象に上がる中、彼女の元上司も動き出していた。

 

果たしてネリとジョーの行く末は?

 

ネリとジョーの姉弟が話の中心となるのですが、頭がキレまた面倒見の良いネリとは対照的に気が大きいもののここ一番でビビり癖があるジョー。

はっきり言ってジョーのグダグダっぷりがネリの足を引っ張る展開が続くのですが、彼なりに考えもあるようで?

またネリがかなり面倒を見てきたアル中の曼陀羅、途中までは単なる酔っ払いなのですが、後半になると大きく存在が変わる人物となっています。

 

見どころは冒頭、振り込め詐欺の探り合い。

完全に分業で動く振り込め詐欺グループ、そしてその逮捕に心血を注ぐ警察。

互いの読みの探り合いがバチバチしているシーンとなっています。

 

気になった点は一週間の設定が活きていない事。

本作はネリとジョーの一週間の出来事の話となっているのですが、あまりその設定が活かされているとはいいがたいものとなっています。

 

もがき苦しみながらも何事も諦めないネリとジョーのクズっぷりの対極が痛々しい本作。

正直ネリがジョーを助けたことは理解に苦しむ部分でありますが、次第に彼女なりの選択の結果とわかってきます。

また最後まで底辺から抜け出そうとする気概も見える作品となっています。