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手話を用い健聴者と同じように楽しめるようにした演劇作

その手話部分を音声ガイドに変換しするプロジェクトが開始

実験的な取り組みで生み出されたものは?

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2023年6月18日

映画館 キネマ館

 

映像作品は基本視覚と聴覚で楽しむもの。

しかし、視力や聴力に障碍がある人は楽しめない・・というニーズにこたえるため音声ガイドや字幕対応になった作品も製作されています。

 

本作はそれをさらにチャレンジした様子を映したもの。

中々すさまじいものになっています。

 

本作のポイントは音になる手話。

コロナ過で大きなダメージをうけた演劇業界。

そんな折、演劇「凛然グッドバイ」を手話を交えたアレンジを計画、健聴者と聴覚障碍者が一緒に楽しめるという革新的な内容となり、その制作の様子を追った「ようこそ舞台手話通訳の世界へ」も製作。

そんな「ようこそ~」の手話部分を音声ガイドにするという前代未聞の計画がスタート。

情景を説明する音声ガイド加え、手話を単語ごとに分解、訳を行い手話を言葉として盛り込んでいく。

 

果たして誰でも楽しめる映像作品は完成するのか?

 

まず冒頭に「ようこそ~」が流れそのままエンドロールに突入しあれ?と思っていたところに本編がスタート。

とはいえ、手話を音声ガイドにするってどういうこと?と思っていたのですが、情景を言葉で説明する音声ガイドに対し手話を分解、場合によっては訳を変更しながら分かりやすく、そして熱量を持って音声にしていく様には中々驚きがあります。

 

見どころは後半、クライマックスの手話の音声ガイド化。

劇でのクライマックスシーンになり非常に激しいやり取り、ゆえ依手話も非常に動きが大きいのですが、さらいそれを音声ガイド化。

正直訳が分からないのですが、視覚障碍の人からすると非常に驚きがあるようです。

 

気になった点は前半のやり取りがやや冗長な事。

本格的に音声ガイドを作るまで色々やり取りがあるのですが、ズーム会話がメインなので見栄えが乏しいのもあります。

あともう少し、映画館や町の背景をしっかりやっても良かったかと、

 

あまり意識していなかった内容だけに、発見も多い本作。

確かに見ているもの、聞こえているものが当たり前でない事に気づかされます。

映像作品の広がりの可能性を感じる作品となっています。

 

 

 

音声ガイドが題材になっている作品としてチョイス。

非常に視野が狭い作品となっています。