聴覚障碍者ながらプロボクサーとなったケイコ
しかし、試合後のダメージでボクシングへの情熱が失いつつあった
そんな折、彼女が在籍するジムが閉鎖する事になる
鑑賞日 2022年12月29日
映画館 キネマ館
原始的な格闘技ながら多くの人を魅了してやまないボクシング。
故に多くの作品の題材になっており、名作も数知れません。
本作もそんなボクシングを題材にした作品。
そして驚くべきは聴覚障碍者ながらプロボクサーとなった実在の人物がモデルとなっている事です。
さらに映画撮影がデジタルが当たり前となった昨今においてフィルムで撮影された点でも話題になり、既に海外で賞を取っている事でも知られています。
本作のポイントは迷いの拳。
生まれつき耳が聞こえない聾啞者ながらジムのサポートによりプロボクスングのライセンスを取得したケイコ。
しかし、元々コミュニケーションが苦手なケイコがボクシングを続ける姿勢に家族も困惑していた。
そんな折、試合後のダメージが中々抜けずボクシングへの情熱も失い始め休みを考えるようになる。
そんな矢先、館長の体調不良によりジムを閉鎖する事が告げられる。
果たしてケイコのボクサー生命はどうなってしまうのか?
先に書いた通り、本作はフィルムで撮影された作品であり、そのためどうしてもややぼやけた感のある画質となっています。
しかし、故に味のある映像となっており、特に夜のシーンは暗闇が美しくなっています。
見どころは前半、ミット打ち。
新しいコンビネーションを練習するのですが、その動きが中々凄いものとなっています。
気になった点はケイコの家族の存在が薄い事。
既に実家から独立し弟と同居しているのですが、あまりサポートをしているようには見えないです。
最もケイコ自身が避けている感もありますが。
コンビネーションがぎこちなく少し難解な感もありますが、それが分かるとケイコのモヤモヤも分かり等身大の悩みが刺さる本作。
否応なしにドラマティックに進行する作品では無いためとっつきにくい作品ではありますが、どこか空回りしている近年の邦画の多さを考えると今後の可能性を感じる作品でした。
障碍があってもボクシングを諦めなかった作品としてチョイス。
こちらも実話を基にした作品です。