沖縄の返還の機運が高まる中、交渉の中核を担う千葉
しかし基地がらみの交渉で中々譲歩を引き出せない
困難が立ちふさがる中、交渉の行方は?
鑑賞日 2018/9/22
映画館 キネマ館
日本において非常に独特の歴史を持つ沖縄。
元々琉球として独自に国だったのを併合した県になりますが、太平洋戦争後アメリカの占領地となっていました。
本作はその返還交渉の舞台裏を題材にした作品。
実際返還交渉の中核をになった千葉一夫氏の半生を題材にした作品です。
本作のポイントは返還の道筋。
太平洋戦争から20年、国際社会に復帰し経済成長を続けていた日本。
しかし沖縄はいまだにアメリカの占領が続き、住民には不満が爆発しかけていた。
そんな折、日米で返還の交渉が始まる事となる。
そしてその白羽の矢が立ったのはアメリカ留学を経験した千葉、目標として密約無しで基地負担を国内並とし、核の保管を認めない事を方針として定め、沖縄に赴き現地の人々の声も聴いていた。
しかし、アメリカは中々交渉に応じず、また外務省内部でもアメリカに傾倒する一派もいた。
果たして千葉はこの困難を乗り切ることが出来るのか?
何時の時代にも足を引っ張る人材はいるモノですが、これはこれで色々鬱憤が溜まるかと。
見た目からして性根が悪そうな人達が演じてくれていますので、その思いもひとしおです。
見どころは前半、連続交渉アタック。
中々交渉に乗らないアメリカの交渉役に対し、何時でもどこでも現れる!
精神的に追い詰める姑息な戦法!否!これが戦略だ!
気になった点はあれだけ拒否していた密約を結ぶことになった経緯が不明な事。
今更だから、ちゃんとやればよいのに。
沖縄が返還され50年ほどが経ちますが、実際どのような交渉が行われたのか、いまいち知られていませんので、どのような人物達がどういった思いで交渉に立ち向かったのか知る機会になります。
本作の根幹は沖縄の米軍基地問題となっており、辺野古への移設に対する可否を問わず見ておきたい作品となっています。
なお、本作は沖縄を返してもらうではなく「取り戻す」としていました。
それだけに返還交渉に対し情熱を注いていたということ。
どこぞの誰かさんも「取り戻す」と言っていましたが、逆に貢ぎに貢いでしゃぶり尽くされている状況はどうしたものか・・
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太平洋戦争の交渉という点でチョイス。
どちらかというとアメリカ側の視点なので、色々勘ぐりたくもなりますが、その結果が今と考えれば。