父ちゃん教えて! 少年H | Mの国より愛を込めて

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外国人向けの仕立屋を生業としていた盛夫
文化に明るく様々な物事を息子の肇に教えてきた
そして迫りくる戦争の足音に盛夫は肇になにを伝えるのか?




公式サイト

観賞日 H25.8.17
映画館 セントラル

超有名小説である「少年H」
普通の一家庭が戦争を経て立ち直る作品です。
そんな少年Hが映画化、しかも主演が水谷豊で伊藤蘭とまさかの夫婦競演ということで話題になりました。
まあ実質的な主人公はHこと肇なのでそこはお間違い無きよう。
なお出演者の中に小栗旬がいますけど、

開始10分で退場しますので期待したらダメだ!

正直水谷豊と伊藤蘭、そしてH以外は殆どちょい役です。

本作のポイントは戦中の家族。
物語の始まりは太平洋戦争直前、外国人向けの仕立屋&クリスチャンだったため様々な外国人と接する機会があった肇。
しかし日本が戦争へと進んでいた時代、外国人たちは次々に故郷へもどり、また肇と親しくしていたうどん屋の青年も共産主義を疑われ逮捕。
そして戦争が始まると外国人と交流があったことが災いし周りから非難の目でみれれる妹尾家。
憤る肇に対し盛夫は生き方を教えるけど・・?

見所は中盤、盛夫の仕立て
支給された服のサイズが合わず肇に笑われた盛夫。
しかし!それが仕立屋根性に火をつけた!
夜通しで服を仕立て直し、翌朝ピッタリになった服を見せびらかす盛夫。
戦中でも自分の仕事に誇りを持つ姿があります。

気になった点は戦後のシーンが駆け足なこと。
肇の自立がポイントとなるのですが、やや分かりにくい展開かと。
もっと憤っても良かったのかも。

空襲のシーンは近年の戦争を題材として映画では中々力が入っています。
お金がかかるので色々誤魔化したくなるシーンなのですが、本作では中々迫力があります。
終戦直後、あることをしていた肇がふと叫んだシーンがあるのですが、これが市民にとっての太平洋戦争の全てだと思います。
雰囲気も上々なので戦争映画としてだけでなく家族の物語としても良い作品だと思います。



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