監督はカメラを回すたびに成長する? キツツキと雨 | Mの国より愛を込めて

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山里で林業を営んでいる岸は立ち往生していた映画スタッフと遭遇
岸は監督の田辺と助監督の鳥居を乗せてロケーション巡りに付き合わされる
結果エキストラまでした岸だが、その映像を見て映画作りの魅力を感じる




公式サイト

鑑賞日 H24.4.7
映画館 キネマ

映画好きなら誰もが憧れる「映画作り」
でも映画を作るにはお金がかかるしなぁ、と思っているあなた!
実際はビデオカメラが一つあれば映画を作る事は可能!後は工夫だ!
どうしても規模が小さくなるので自己満足の作品しか出来ませんが、コレが最初の一歩となるかも?

さて本作はそんな新人映画監督と山のきこりのお話
主演が役所広司と小栗旬ということで単館系が好きな人には固唾の作品となっていました。

本作のポイントは新人監督の成長
小栗演じる映画監督 田辺は一見するとADと間違えてしまいそうな存在
しかしながら自信が持てずに現場の意見に混乱しきり、混乱がピークに達すると逃げ出してしまう始末
そんな折に映画に興味をもった岸の助力もあり次第に撮影も軌道に乗り出し、田辺も自信をつけていく
最初は弱弱しく指示をしていたのが次第に力強くなっていくのがわかります

見所は岸と田辺の風呂上り談義
田辺が何故映画を撮るようになったのかが明かされるシーンなのですが、そんな二人の前に出されたのは「あんみつ」
岸は糖尿、田辺は願掛けで甘いものを絶っているけれど・・?
男二人があんみつを食べあうのはシュール?いやいや男の友情と言うことで
また風呂のシーンでもちょっとニヤリとするはずです。
もう一つはクライマックスシーンの撮影
このときの田辺とカメラマンのやり取りが田辺の成長を物語っており、最高にキマッています。

気になったのは役所と小栗の演技が上手すぎるため他が霞んでしまっていること

普通の映画なら主演級の高良健吾も例外なく蚊帳の外、それだけに主演二人にスポットが当たりすぎています。
岸の妻の三回忌もやや蔑ろ気味、まあ夢中になるのはわかるけどね

なお本作で田辺が撮っている映画はゾンビ映画
地方撮影の映画は地域住民の協力が欠かせないのですが、本作でも住民が大活躍!
住民の殆どがゾンビ衣装で街を歩いているさまは・・中々シュールです。

本作のラストシーンにて岸と田辺のその後が映されているのですが、田辺のシーンは秀逸
個人的に近年の映画では最高のラストだと思います。

(超余談ですが、僕達急行・しあわせのパン・キツツキと雨と良質の邦画を三本立て続けに見てしまったため、今年の邦画トップ3が出揃ってしまった感があります、今年コレらを超える作品が出るかねぇ)

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こちらも一応映画作りを題材とした作品
面白いんですけどヒットしなかったのはちょいと残念