荒木一郎さんの半自伝的青春小説
「ありんこアフター・ダーク」。
その中で舞台となった、主人公たちがたむろするダンモ屋「ありんこ」の跡地へ行ってみた。
場所は渋谷道玄坂の百軒店。
以前からどの辺りかわかっていたのだけど、いつでも行ける気持ちと、今を確かめるのがちょっとこわいのとで、なかなか見に行かなかった。
百軒店入り口から、坂を登って左へ、これまた昔からやってるカレー屋ムルギーの、もう一本奥の通りの角から二軒目。
今は「百軒店児童遊園地」という公園になっていた。
公園と言うには、小さい、都会の喧騒のわずかな隙間のようなスペース。
かつてここに「ありんこ」があった。
この辺りはホテル街で隣もラブホ。
ここで児童公園というのも、ちょっと不思議。
店無き後、後釜のテナントを許さないかのようにずっとこの状態だったのかしら?
一世代上の方なら、この辺のジャズ喫茶のあった頃を、ご存知なのだろうなぁ〜
「ありんこアフター・ダーク」はホント傑作!
東京オリンピック前夜の渋谷界隈を舞台にダンモ屋にたむろする不良少年たちのお話だけど、十代後半から二十歳頃の荒木さんは、この小説に描かれる「ありんこ」ライフを贈りつつ、高校に通い、テレビドラマに出ていた。そう思うとあらためてスゴイなと思う。
右の88年のジャズ批評に、文庫版に追加されたエッセイが収録されています。
荒木一郎さんインタビュー本、ほんと面白いです!
読み終えてちょこちょこ読み返してます。
この中の亀和田武さんとの「ありんこ対談」も、とてもいいお話だった。
まわり舞台の上で 荒木一郎/文遊社
*
おまけ。
ちまたで噂のごはん処「とりかつ CHICKEN」へも行ってみた。
同じく百軒店の右手、道頓堀劇場のナナメ向かいに小さい看板、矢印を辿ってズンズン進むとビルの奥にお店到着。
ディープなお店かなぁ〜と思いきや、ふつうにお客さんワイワイ。
おかず選り取り2種定食650円からのいいお店でした。