変わらず地味に続けていくと思いますが、
よろしくお願いいたします。
「泣いて!笑って!どっこい生きる!
映画監督 瀬川昌治」
@神保町シアター
年明けから始まった瀬川昌治監督特集。
観たいのいろいろあります。
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新春、一本目はこの作品。
この企画では一番観たかった
「乾杯!ごきげん野郎」
1961年/ニュー東映/92分
なんと辰兄ィと今井健二がミュージカルに出演という
ニュー東映の作品。
ほら、こんな楽しそうな紹介ですもん~
素通りするのは体に毒ヨ、といっても過言でもない。
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ところが、すごくイマイチだった。。。
期待しすぎたわたしがイケナイのでしょうか。
お話は、
桜島の養鶏所で働く歌が大好きな4人組が、狭い故郷を飛び出して、
「一流の集まる東京へいけば俺達も一流だ!」
と夢を描いて上京する、というショウビズのサクセス・ストーリー。
この4人には、辰兄ィ!今井健二!世志凡太、南廣。
実に、面白くなりそうな顔ぶれです。
ヒッチハイクをしながらなんとか上京した彼らは、あるコンテストにエントリーするのだけど、大手プロダクション所属のタレント(大泉滉)に優勝者がキマってるという出来レースに激憤ッ!
すると、売れっ子歌手の三田佳子に
「この世界は実力だけじゃないのよ。イヤなら田舎にお帰りなさい~」と諭されて。。。。
一度はへこんだものも気を取り直した4人は、
売りこむために、正攻法ではないあの手この手の珍作戦にでるのでありました。
「リズムジョーカーズ」と名乗り、
有名人に知り合いのふりしてつきまとったり、大物にごますったり。
それが、話の中心になるドタバタ劇で、笑う所なのはわかるのだけど
なんかイマイチ気持ちが乗っかっていかないんです。
性格が悪くて狡い奴らとしか見えないんですよね。
おちゃめじゃない。
それが、このギョーカイで生きることの皮肉になってるのかもしれないけど。
私のモヤモヤしたところは、
やっぱりコーラスグループのミュージカルなのに、彼らの歌が全て吹き替えであること。
渡辺マリなど、本業さんの歌唱シーンはあるけど。
中心にはホントに歌う人がいるべきではないかなぁ~?
ちなみに辰兄ィたちの吹き替えはデュークエイセス。
お話がイマイチなので、つい歌声と辰兄ィたちの雰囲気との乖離が気になってきます。
ミュージカルの旨味は歌って踊れて演技ができる俳優さんの芸と楽曲の素晴らしさですが。
時に吹き替えという場合もあるけれど、それならばお話自体が面白くないとキツイものがあります。
そもそも、面白いミュージカルはお話自体も面白いものです。
今作は、肝心の曲もあんまり素敵じゃありません。
なにより一番ザンネンなのは、4人のキャラの役割分担が弱くて、見守って応援したくなるような魅力がないこと。
4人が常にひとかたまりで、こんな個性の違う俳優を並べてるのにもったいない。
ただ、今井健二だけはすご~く良かった!
悪役になる前の今健さん、ど近眼の眼鏡キャラで「うまくいくかなぁ~」が口癖のオドオドした慎重派をとてもチャーミングに演じてます。
ビートルズ映画でいえば、リンゴ・スターかな?
辰兄ィはそれでいうとジョン?となりそうだけど、特に個性なし。
辰兄ィがギャル口調でファンを騙ってリクエストの電話をかけるところはちょっとおもしろかったけど。(辰兄ィらしさの発芽)
人気歌手の三田佳子が高嶺の花っぽくいい感じなのに、からむ辰兄ィ達の誰とも立ち入ったやり取り(誰かが一目惚れしちゃうとか、されちゃうとか、生意気な女だな!とか)が生まれないのもつまんなかった。
まわりも豪華なんだけども。。。
業界の大物にエノケン!
4人の下宿先のおやじさんに東野英治郎。
とくにエノケンのイジられ方は哀愁感じちゃった。
三田佳子が4人を連れて行くジャズ喫茶のライブシーンなど気合い入ってたけど、
全体的にはオシャレじゃない人がオシャレをしようと頑張って逆にダサ転びしたような作品だった。
なにしろ、「乾杯!」で「ごきげん」なタイトルっぽさがなかったなぁ。
この作品の良い所はピチピチ辰兄ィと、おちゃめな小心者を演じる今健さんが観れること。
評判が良いみたいなのだけど自分には水が合わない映画でした。
そうそう、あと、芸能人野球大会のシーンで、東映俳優陣のカメオ出演は見どころ!
野球のユニフォーム姿の中村賀津雄さん、江原真二郎さん。。。
瀬川監督はまだ観たいのあるので、ドリフや喜劇シリーズ(とくに「泣きどころ」)に期待したい。
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