「まむしの兄弟恐喝三億円」「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」則文監督!@新文芸坐 | 夜遊びする頃を過ぎても

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鬼才 鈴木則文監督 追悼上映
~下品こそ、この世の花~
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3連チャン!

「まむしの兄弟恐喝三億円」「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」の2本立て。


「まむしの兄弟 恐喝三億円」

1973/88分/東映

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ソクブン監督のまむし初見!

脚本は鈴木則文監督、高田宏治の共作。


めずらしくカツが迎えに来ない冒頭~

仕方がないから一人で街に繰り出す政が、でくわすオバアチャンのバス旅行!
無くてもイイけどあれば楽しい遊びのシーンが、いきなりソクブン監督らしいです。

でもお話が始まるといつしかシリアスな色調に。。。。
いままで観てたまむしシリーズとちょっと違ったテイスト。

当たり屋のつもりが本轢きされたカツは大ケガで入院、轢いたお嬢様を強請りに行ったところ、政はお嬢様に一目惚れ。

その父親、李(河津清三郎)は財界の大物でヤクザ(渡辺文雄)と麻薬密売の取引中。

そこに李の用心棒、松方弘樹登場。
幼少期に貧しさから5円で親に売られたヘビー級の背景と、お嬢様との身分を超えた恋。
(今回、いつものギラギラ封印、寡黙さの中に野心を秘めた存在感がイイ!)

行く末の気になるお話に、まむしの二人が、いやおうなしに巻き込まれていきます。

親無き子のまむし政と、親に売られた“日本人でも中国人でもない”国籍喪失の松方弘樹。
親の愛を知らない二人の対比がせつなく、文太さんの真っ直ぐな心意気に惚れる!
カツはお調子者の反面、最終的には善意が勝つので憎めないなぁ~

今回の印象は松方弘樹で、
「俺たちに明日はない」ちっくな後味に虚しさが吹き抜ける。
その分、まむしの部分はコミカルで清涼剤的活躍。

全体にシビアなお話を、広瀬健次郎の軽快サウンドが緩和~。


*メモ*
文太さんの、桃さん的な恋ベタぶりがすでに完成してる~☆

堀越光恵は、わりとキリッとノーブルなお顔立ちなので、ズベ公よりも勝気なお嬢様、ご令嬢の役が似合う。
今回、小姐ってことでチャイナドレスからスラリと伸びた美脚も披露。

まむしの彼女、女屋実和子と三島ゆり子がファッショナブルで楽しい。


本日の司裕介、アップで抜かれてセリフも有り〼!
「へい。」←若いもん一人出せ、おまえ行って来い、の時。


ちょっとシリアスで暗めのお話だったけど観られてよかった!
フィルムがだいぶ働いた感があって、コマ飛び退色がちと残念。

長くなっちゃったので「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」は次回へ。


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