一昨日、脚本家と監督とプロデューサーでキャスティングのブレストをしました。
映画製作のプリプロダクションの中で最も楽しい時間の一つです。
あ、この作品は映画にはしないかもしれないのですが…
(私はどんな仕事にも”Pioneer”の部分がないと萌えないのですが、その意味でこの作品は映画的でありながら、映画になるには一工夫もふた工夫も要するので、そこがPioneerの要素だと言えます)
ブレストしながら脚本家の持っているイメージを探っていきます。
そして、プロデューサーRは脚本家からログラインを引き出そうとするのですが…
この作品は群像劇
グランドホテル方式とも言う。映画や小説、演劇における表現技法のことで、「ホテルのような一つの大きな場所に様々な人間模様を持った人々が集まって、そこから物語が展開する」という方式のことである。映画『グランド・ホテル』によって効果的に使用されたため、この名が付いている。群集劇、群像劇、アンサンブル・プレイとも呼ばれる。アメリカ合衆国など英語圏では、アンサンブル・キャスト(ensemble cast)と呼ばれる。主人公を1人や2人に限定せず、数人のキャラクターのストーリーラインを並行して進行させたり、エピソード毎に異なるキャラクターに焦点を当てるという手法である
あ、そもそもログラインってご存知ですか?
ログラインとは、短い文章で表現した覚えやすいストーリーの要約です。
例を紹介します。
『不思議な場所へと運ばれた少女は、脳のないカカシ、心の無いブリキ、臆病なライオンと仲良くなり、カンザスへの帰り道を探します。』
ログラインは映画のポスターに表示されるような文章ではありません。それは"タグライン"といいます。
次の例がタグラインです。
※タグラインの例※
『48時間で映画を作る時、その一秒が貴重である。』次の例がログラインです。
※ログラインの例※
『フィルムメーカー達が時間と戦い48時間以内に映画を作りあげる。』良いログラインを書く上でのアドバイス。
- ログラインの役目は読む人にストーリーに対する簡単な説明とそれによって更なる興味を掻き立てることです。
- 複雑な文章やわき筋を除いた物語の本筋を表します。
- それは物語の根幹的な重要点を凝縮したものです。
- 多くのシナリオ教本では、最初から物語の意図を明確にする為に、物語を書く前にまずログラインを書くことを勧めています。
自分のために長めに引用しましたw
話を戻して、ログライン。
極論ですが、「誰が何をどうした」ってことを書くのです。
それ、群像劇では無理です…
監督と脚本家が帰ったあと、泣きそうになっているプロデューサーRに思わず、私、できるかもと言ってしまい
昨日は半日、ウンウン言いながらやってみたのですが、やっぱり無理でした(⌒-⌒; )
12話からなる群像劇を1話ずつ、ログラインにしました。
(それなら、誰にでも書けますねw)
ところで昨日は土田英生さんと呑み打ちでした。
*土田英生さん(Twitter @Tsuchidahideo)
今年創立30周年を迎える劇団MONOの代表。
左から三番目の白シャツにチノパンが土田さん
脚本・演出。自らの劇団にだけでなく数多くのテレビドラマや舞台へ脚本を提供しています。今、私と映画製作と出版という二つのプロジェクトで取り組んでいます。
今は3月2日初日のMONO本公演「はなにら」の稽古で京都ですが、昨日、インタビュー取材を受けるために1泊だけ東京に来ていたのです。
「はなにら」のフライヤーです。メガネの人が土田さん
*はなにらの詳細は劇団MONOのHPをご覧ください。
もちろん、尋ねましたよ、群像劇のログラインの書き方
(土田さんはログラインが嫌いですw
私たちがお願いしている映画の脚本のログラインを書いてくださいとお願いしたら、
苦手なんですよーって言ってました笑)
「無理なんですよね。たとえば、『それは空港で起こった』ぐらいにしか書けないんですよね」
なーんだ!プロ中のプロでも書けないんじゃん!って少し気が楽になりましたが、
ログラインがないと営業上、マズイんですよ、困ったなぁ…