さて本日2本目は
新文芸坐にて〜〜
 
カンゾー先生
 

 

ロードショー当時に観ているはずが

なぜかあまり印象がなく、

と思ったら、京都から東京に戻る年で

なんやかやと気が散ってたのだろうな

 

岡山の海に面した田舎町、

町医者の赤城はいつも走って面倒見がいい

しかしどんな患者にも、

肝臓炎と診断するために

カンゾー先生、と呼ばれてヤブ扱い

 

時は1945年の夏、

敗戦間近だといっても田舎町のこと、

いまだ戦争には勝利すると思い込み、
赤紙が届けば出征するしかない
 
ソノコは娼婦だった母親から、
ただマンは本当に好きな人だけ、
と言い聞かされていたため、
逆に男には金で身を任せる有様だ
 
ところがソノコは
カンゾー先生に預けられ、
手伝いとして住み込むうちに
ヤブどころか、
世のため人のために寝食を忘れて
肝臓炎の研究に取り組む姿に惚れ込み
心を入れ替えて尽くそうとする
 
そんなある日、
脱走して大怪我を負った捕虜が病院に逃げ込む
カンゾー先生は仲間と共に手術をし、
彼を匿うのだったが…
 
序盤はあまり起伏なく進み、
正直ちょっと眠かったのだが
それを越したら俄然面白くなって??
敗戦直前ということを
我々は知っているからの愚かさとか
人間の死に対するおおらかさとか、
あちこちに散りばめられたユーモア、
若い頃の今村映画ほどの肉欲ではない、
軽妙さが前面に出てきている感じも
終わってみればかえって心に沁みる
 
お馴染みのベテラン俳優さんの姿はなく、
世代交代がはっきりとわかるのは
北村和夫ではなく息子の北村有起哉だし
モルヒネ中毒の天才外科医世良公則の怪演〜
 
今日、先に観たディア・ファミリー
同じく医療ものという括りかもだが、
似て非なるの逆で(なんと言えば??)
まるで違うけど通ず、
の心持ちもなきにしもあらず
形はまるで違っても、
どちらも深い人間愛なのかもしれないな
 
後年の今村昌平作品にしては
とてもわかりやすくて大好きだった
公開当時ではわからなかった何かが、
60代の今だからわかるのか??
いや今だってわからないかもだけど、
心に沁みたことだけは確かなんだよね
 
 
 

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