今大注目の女優さん、
予告編から気になって
池袋シネマ・ロサへ
 
あんのこと
 
 
サービスデーとあってか
特に女性客がいっぱいだ〜〜
 
新型コロナ上陸の話題のころ、
だから2020年の春先か
 
覚醒剤をやりながらの売春、
そのさなかで客が死んだ
常習のあんが警察に事情聴取される
 
ベテラン刑事の多々羅は、
あんを立ち直させるべく世話を焼き
次第にあんも心を開いていく
 
祖母は寝たきりならぬ座りきり、
母親から売春を強要されて育った彼女は
小学校もろくに通えず、
初めての人との関わりでもあった
 
共助の集まりに通い、
部屋を世話してもらい、
仕事にも就き、
夜学へ通い…
 
しかし家族はどこまでも
彼女を追い詰めるのだった
 
社会の冷たさよりもまず、
その前にあるのは家族であり、
母親なんだと思うと苦しい
 
あんの母親には同情の余地はなく、
彼女がどれだけ苦しんだ挙句の今か、
最初っからこうだったのか、
実の親がいる部屋で、
あんをママと呼ぶ不毛で理不尽な拘束
 
人は出会いで救われるが、
その出会いも救いも、
これまた時の悪戯で激変する
 
新型コロナが忍び寄る中で、
せっかくのつながりが絶たれて
信じた人の別の一面も知る
人間の不完全さを理解するには、
そして自分が求められていることに気づくには、
彼女はまだ心が追いついていなかった
 
彼女が力なく歩く街には
東京五輪のポスターがあり、
絶望の果てに見上げた青い空には
あの医療従事者のための飛行機雲か
貧困の若い母親を描いた
遠いところ 同様に、
誰のための社会かと問うている
 
是非ともこんな作品を
都知事には、
そしてこれから都知事選に出る面々には
観ていただきたいもんだ
これは確かに、
遠い世界の話じゃないんだよ、
すぐそこにいた、
あんのこと、
そしてそれを見過ごした私のこと…
 
 
 

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