先月予定していた

ちびっことの裁判傍聴ツアー、

ヤツの発熱で断念したのだが

すっかり復調して

今回、去年の3月以来の裁判傍聴へ

 

実は29歳の今、法学部3年生となり、

年齢制限で最初で最後の某試験に挑戦する

ってことで、

5月の本番に向けて勉強の一環

 

あいにくの寒い雨の朝、

裁判所の地下で簡単な朝食をね

米食のヤツはおにぎりを2個も買ってる

パン食のhaha はサンドイッチだ

 

そして目指すは7階にある法廷へ

最初は裁判員裁判の論告を見学

 

被告はメルカリで購入したバイクが

登録番号と違うものが届いたと

売主に苦情を言うも聞かれずに揉めて

ついには放火をしたという

脅かすつもりでガレージに

大量の粗大ゴミを持ち込み

焦げ跡をつけるつもりが延焼して

家屋が全焼したために、

現住建造物等放火罪で懲役8年を求刑された

 

裁判員裁判だけあって、

若い女性検事さんは噛み砕いて

丁寧な説明をしながらの進行、

 

火事になることは想像ができたはず、

っていうことがポイントなんだな

 

一方の弁護側は真っ向勝負、

被告はメルカリでのトラブルを

警察にも訴えたが聞かれず、

脅かすつもりで粗大ゴミを持ち込んだ

火事になるとは思わず、

しかも燃やすものを

可燃性のものから遠ざけておいた、

とかとか、

しかも相当反省していて

賠償金も支払うつもりで

父親も肩代わりする予定で…

 

それぞれが20分以上事細かに話し、

最初の検察側の話を聞いている時は

大昔の火付は死罪、が頭に浮かび、

むしろ8年でも軽いかと思うほどだったが

 

弁護側の話を聞くうちに、

え、そうなの??

それが本当なら同情の余地も??

みたいな感覚も湧いてきて…

 

この判決は15日にあるそうで、

ならば行こう、ということで

ちびっことまた予定を合わせ、

次回ご報告ね

ちなみに席を立つ時、

被告側に近い席にいた初老の夫婦、

おそらくはご両親だろう、

お母さんが泣いていた…

 

でもって、これは小一時間で終了、

次は15時から行きたいというので

買い物と食事に出掛けてからの、

またまた7階の法廷へ

 

今度は判決を言い渡すの巻、

さっきの被告と同じような年頃の男性、

覚醒剤の密輸容疑での裁判らしく、

本人は知り合いの仕事を手伝っていて

それと知らずに逮捕されたってことだが

これに関しては、まず判決を言い渡す

 

主文、被告人は無罪

 

お、っと息を呑むような声が

真後ろの傍聴席から聞こえた

この法廷にはさっきより格段に人が多く、

しかも服装も派手な感じで目をひく

 

裁判長の前に立っていた被告は、

こちらからは背中だけれども

スーツのポケットから

黄色いタオルを取り出して

メガネの下を拭っている

 

そこから裁判長が、

判決理由を一つ一つ述べ始める、

ので、こちらもことの次第がわかる

 

ヤクザから追われていた被告は

頑張って仕事をしてもうまくいかず

男に勧められた輸入の仕事に飛びついた

それは犯罪と知っていたとは思えない〜

等々、被告人が知っていてやったとは

証拠もなく立証できないとしての無罪判決

 

閉廷すると男性検事が

お馴染み風呂敷包みを抱えて

そそくさと出ていく

一方の被告は拘束を解かれて、

弁護士の側に派手目な友人たちが

笑顔で寄っていく

 

しばらく見ていたかったが、

この後なんやかや手続きがあるから、

とちびっこに促されて次へ

 

これも20分程度と早かったので

1階で確認してから

もう一つ行こう、と、また7階へ

 

今度は初回審議で

強盗の共犯者とされる被告、

これまた前回前々回同様に

おんなじような年齢で

おんなじような出立ちの男性

 

ある強盗犯が証言を変えて

実は単独犯ではなく、

この被告も一緒だったと言い始めた

とのことでその真偽を問われる

 

これは初回ということで

検察弁護側双方の主張を聞いただけで、

次回は6月6日と裁判長が相談しながら決めて

ハイ、終了

 

こうして3つの裁判をつぶさに見てきた、

いやぁ、スゴイ貴重な体験だった

 

放火犯はこれがセオリーなのだろう、

最後に裁判長に一言を認められると

一つ一つの事柄に詫びて、

都度頭を深々と下げていた

 

無罪になった人は

きっと今頃自由を噛み締めているだろう

 

共犯か否かの裁判は、

本人たちしか真実を知らない…

 

どの被告人もじっとしていて、

マスク姿でもあり表情はわからないが

この瞬間に人生がかかっている、

って思うと重たい時間だよね…

 

法律の責任は重い

人が人を裁けるのか、

永遠の問題だろうが

知恵を信じるしかないよね

 

あ、ちなみにちびっこが受けるのは

司法試験ではないので、

わずかに可能性はあるかもだと

期待したい…