このブログで「KISS」(以下、同バンドと記載)を紹介するのは、事実上初めてです。「事実上」と書いたのは、1978年リリースのメンバーのソロ作品「ACE FREHLEY」を紹介している( http://ameblo.jp/m-katsubou/entry-11218791270.html )からです。バンドの名義ですが、タイトルはメンバーの名前。これってKISSの作品といえるのでしょうかね?
今回紹介する同バンドのアルバム 『 ASYLUM 』(1985年作品、以下本作と記載) は、実は私がCDで所有している同バンドの唯一のスタジオアルバムです。他にはライブアルバムとベストアルバムしか持っていません。ですので、同バンドの紹介は本作で最後になると思います。
とても有名なバンドで、いまさら私ごときが紹介するまでもないとは思いますが、少しだけ。
本作リリース時のメンバーは、ポール・スタンレー(vo.&g.)、ジーン・シモンズ(b.&vo.)、エリック・カー(ds.&vo.)、ブルース・キューリック(g.)です。
ここで注目すべきはギタリストのブルース。病気で倒れたマーク・セント・ジョンに替わって、本作から同バンドの正式メンバーになりました。ブルースを地味だという人は多いですが、個人的に、目立ちたがり屋を集めたバンドは長続きしないと思います。同バンドにはフロントマンが2人もいる(ポールとジーン)のですから、他のメンバーは黒子/職人肌のミュージシャンで良いのです。
初代ギタリスのエース・フレーリーも二代目の半漁人...いや、ヴィニー・ヴィンセント(笑)も良いギタリストですが、まぁ自分が目立ちたい/親方になりたいタイプでしょうね。
本作は外部のソングライターを積極的に起用。まさに音が王道になっています。個人的には、HEARTにとっての『HEART』アルバムっぽい存在なのかな?と思います。リリースの時期もほぼ同時期です。私が本作を持っている理由は3つ。アルバム全てが良い曲である事、アメリカ留学中にヒットしていた事。そしてもう一つは、同バンドで一番好きな曲が収録されているからです。
以下、全曲紹介です。
① KING OF THE NOUNTAIN ・・・ ドラムの乱れ打ちから始まる、アップテンポのロック曲。全編に渡って叩きに叩きまくっているドラムが良いです。私はタイトルを「お山の大将」と訳しましたが(笑)、歌詞カードは「我こそが山の王者なり」。センスの違いがわかりますね(笑)。
② ANYWAY YOU SLICE IT ・・・ ジーンがヴォーカルをとっている、ワイルドなミドルテンポのロック曲。頑張っているギターソロ、ドラムだけになる部分、ブルージーな曲の終わり方。意外に(失礼?)聴き所が多い曲です。
③ WHO WANTS TO BE LONELY ・・・ 個人的に前半のハイライトと思っている曲です。この曲最大の聴き所はズバリ「歌メロ」です。元気な曲調なのに、どことなく哀愁が漂っているのはさすがです。
http://www.youtube.com/watch?v=_XMU_3o5RRs
④ TRIAL BY FIRE ・・・ 出来自体は普通なミドルテンポのロック曲ですが、サビは歌いやすく、曲中に「OH,YEAH!」の合いの手が多い。ライブでは盛り上がったでしょう。
⑤ I'M ALIVE ・・・ 前半ラストは疾走系のロック曲。
⑥ LOVE'S A DEADLY WEAPON ・・・ 後半一発目は、今度はジーンがヴォーカルを取っている疾走系ロック曲です。曲自体は⑤と似ているので、ヴォーカルを替えたのでしょうか?
⑦ TEARS ARE FALLING ・・・ 本作のハイライト曲。個人的に、同バンドで一番好きな曲です。割と静か目に始まり、段々曲が盛り上がっていきます。サビも含めた歌メロの良さ、サビのギターリフやギターソロ.....。聴き所は多いです。
http://www.youtube.com/watch?v=lEwnfhuPJGs
批判を恐れずに言いますが、この曲は「じっくり聴かせる曲」ですのでライブ向けでは無いと思います。
⑧ SECRETLY CRUEL ・・・ ジーンがヴォーカルを取っている、ミドルテンポのロック曲。ギターリフが中々です。
⑨ RADAR FOR LOVE ・・・ 隠れた名曲ですね。ライブ向きな気がしますが、ライブでは演奏されたのでしょうか?
http://www.youtube.com/watch?v=Y2lLfsgjtiE
⑩ UH!ALL NIGHT ・・・ アルバムのラストを飾るのは、もうどどうしようもないくらいKISS節炸裂のミドルテンポのロック曲です。
もちろん同バンドのアルバムはチェックしていますが、CDで持っていたいたいと思ったのは本作だけ。あとはベスト/ライブアルバムでいいやと思いました。
ところで、本作のCDの帯に 「 LAメタル色を濃く打ち出したアルバム 」 と書いてありましたが.....。本作とLAメタルの共通点って「軽い歌詞」くらいなんじゃないかなぁ?