今日の絵ハガキ。
白鳥。
白鳥は哀しからずや 海の青空の青に染まず漂う
自然主義的な表現手法の中で、人の心情や日常について表現しているのが若山牧水の作品の特徴だ。
空の色は散乱による淡い「青」で、海は反射、屈折、偏光、散乱などのために、近景エメラルドグリーンから遠景の群青まで様々に変化する青である。
青にも色々ある。
遠くの山々も青である、
高尾山から都心方向を眺めると、遠くの山々は空の青にとけこんで山と空の区別がつかない。
先々週、アラレちゃんと筑波山に登った時に、富士山が見えると騒いでいる人がいて、私達もその方向を眺めたが、富士山派見えなかった。
たぶん、空が薄青色で、富士山もそれに溶け込んでいて、老いた私の目には見なかったのだろう。
近頃、山頂から見た遠くの景色、平野を何度も描こうとしているのだが、成功していない。
遠景の風景写真を見たら、中心がないように感じて絵を描こうとは思わないのだが、実際に現地で関東平野を見下ろしていると、田んぼの緑が鮮やかで、全体を色でとらえれば描けそうな気になる。
自分で撮った写真をパソコンに取り込むと、遠くの景色はいくらでも拡大できるので、
つい細部にこだわってしまう。
現地では、遠くの 物は輪郭としてではなく、色のかたまりとしか見えない。
そのうち鉛筆の下描きなしに、直接筆で色を塗ってみようと思う。
色の濃淡だけで、遠近が表現できると思うのだ。
長年、細かい字や、パソコンの画面だけを見てきたせいで、朝から景色がぼやけて見える。
山頂からの風景は色のかたまりで、森だ、林だ。建物だ、畑だと見分けているだけだ。