今日のスケッチ。
カサミラ。
波平さんは兵隊さんの経験がある。
サザエさんの漫画、カツオ君が見た波平さんの軍隊時代の写真は、かなり老兵のくたびれた姿だったから、敗戦間近の根こそぎ動員で、軍隊に取られたと思う。
サザエさんは戦後の漫画だが、戦時中はカツオ君も軍国少年。
多分その頃は、サザエさんは女学生で、お下げ髪にハチマキを締め、セーラー服、下はモンペ姿で竹槍訓練をさせられただろう。
カツオ君は小学生になるかならないか、ワカメちゃんは赤ん坊。
フネさんは苦労しただろう。
ドラえもんののび太のお父さんは、学童疎開の体験者だ。
サザエさんの連載が福岡の新聞で始まったのは、1946年だし、ドラえもんは1969年、30代後半の、のび太のお父さんは学童疎開の口だ。
戦前からの漫画、フクちゃんは戦時中は軍国少年だった。
もっとも、当時は全国の小学生が国に尽くす少国民だ。
海軍はフクちゃんの潜水艦というアニメを作った。
フクちゃんは、敵の米軍にも利用された、
フクちゃんの漫画をジャングルに撒いて、日本兵に降伏を呼びかけた、
日本軍も米軍に漫画ビラを撒いた。
内容は、戦っている米兵の妻が、アメリカの地元で別の男と浮気している。
なかなか色っぽい妻に描かれていたから、本職の漫画家が描いたものである。
ところで、フクちゃんの作者、横山隆一は、戦後になって、米軍にフクちゃんの使用料として1ドル請求したら、ちゃんと振り込んできた。
米軍は洒落がわかる。
頭が固かったのが、日本陸軍。
戦前に子供たちに人気ののらくろ二等兵という漫画があった。
野良犬のクロが、猛犬連隊に入隊して、猿やブタの軍隊と戦う。
そして、のらくろは、二等兵から上等兵、曹長と出世していく。
のらくろを戦意高揚に利用すればいいとなりそうなものだが、神聖な陸軍兵士をを犬に見立てるなどけしからんと、出版社に圧力をかけて、連載中止に追い込まれた。
のらくろはブル連隊長とともに軍隊を除隊して、満州に行き実業家になって連載を終わらせた。
海軍は桃太郎やフクちゃんをアニメにして戦意高揚をはかったが、陸軍は融通がきかない。