明治の風刺漫画と渡辺与平という画家 | かもさんの山歩き

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毎週末、山を歩いてスケッチしてます。
漫画も描きます。

今日の絵ハガキ。

女子高生のいる風景。

漫画になってしまった。

人物画は難しい。

 

 

 

明治時代の風刺漫画。

 

日露戦争の時だ。

 

作者不詳。

 

宮武外骨の滑稽新聞に載った作品。

 

 

「社会は分業」五コマの人生。

 

模写した。

 

軍費を寄付する役。

 

 

出征する役。

 

 

戦死する役。

 

勲章を製造する役。

 

勲章をもらう役。

 

 

やはり滑稽新聞に載ったもの。

 

 

明治42年、伊藤博文が暗殺された時の風刺画。

 

タイトルが[女好き者の最後]。

 

 

影が女という字になっている。

 

 

伊藤の女漁りは有名だったが、死者にムチ撃つ風刺画である。

 

 

二つの風刺画は、たぶん昭和の日中戦争時には、許されなかっただろう。

 

発行されることもなかっただろう。

 

 

当局が乗り出す前に、狂信的団体から私的制裁を受ける可能性がある。

 

 

では、戦後はどうだろう。

 

 

今の時代、例えば、女性問題で失脚した政治家などが暗殺された時に、やはり女という字の影を描いたらどうなるか。

 

 

SNSが炎上するだろう。

 

次の絵。

竹久夢二の珍しい風刺漫画。

 

「強制された愛国心」  平民新聞。

日露戦争直前に描かれた。

 

 

兵隊になるのを嫌がる農民を村長、教師が愛国心のてこを使って動かそうとし、資本家が扇子をあおいで音頭をとっている。

これも昭和日中戦争時には、竹久は非国民とされただろう。

 

 

新聞売子の子供。

「一枚一銭」

小学生の路上労働者だ。

 

印象的な絵だ。

 

渡辺与平筆となっている。

 

白黒だが、油彩画である。

 

風刺画というより、抒情が漂っている。

 

渡辺与平の絵はほかにないか、ネットで探してみた。

 

「将来を嘱望されたが24歳という若さで没した。明治39年から「ホトトギス」にこま絵や裏絵を描き、竹久夢二に影響を与えたといわれ、夢二と共にこま絵の名手とされた。」

 

へえーっ、知らなかった。

 

風刺漫画を調べていて、思わぬ収穫。

 

もっと与平さんの絵を見てみたい。