空白な私 | かもさんの山歩き

かもさんの山歩き

毎週末、山を歩いてスケッチしてます。
漫画も描きます。

今日の絵ハガキ。

 

矢切の渡し。

 

 

コロナは怖いが、いささか過剰と思われる反応もある。

 

 

しかし、過剰すぎるくらい過剰に対応したのがいいのだと言われると、黙るしかない。

 

今日も千葉の山に行くつもりだったが、用事ができた。

 

 

 

中小企業の持続化給付金を申請するのに、ネットでやらなければならない。

 

しかし若い人でも、メールなどやったことはないという奇特な人もいるのだ。

 

 

 

今日は、ネット申請のお手伝いに、電車を乗り継いで、高齢の顧問先を訪問しなければならなかった。

 

弱者というか、少数者切り捨てというのはこういう事かと思う。

 

社会の変化に対応しないと取り残される、ネットでつなげない事業者は相手にしないということか。

 

 

90近いのに、パソコンを使いこなしている社長さんもいれば、平成生まれなのに、ネットが怖い、携帯は通話ができればいいという社長さんもいる。

 

人それぞれなのだ。

 

会計事務所もいろいろだが、45年前、この業界に入った時と事務所のあり方も変わった。

 

 

まず、職員のソロバンの早さに驚いた。

税理士受験でソロバンには自信があったが、早さは段違いだった。

 

お客さんとの打ち合わせしているのを見ると、帳簿を見ながら、ちょっとした数ならを暗算した数字がポンポンと飛び出す。

 

数字を操る職人だと思った。

 

 

 

事務所には、いつもパチパチという音が響いていた。

 

 

最初にやらされた仕事が、煎餅屋さんの売上の集計だった。

 

 

売上伝票を月ごとに集計し、お店の人が出した数字と合うか照合する。

 

単調さにうんざりして、この仕事は俺向きではないなと思って45年たった。

 

いつの間にかソロバンが電卓になり、今は電卓も滅多に使わなくなった。

 

昔は、ある人の年収と家族構成を聞いただけで、概算で税金の額が頭に浮かんだし、逆に税額を聞いただけで年収も分かった。

 

基本的な、控除額や税率が頭の中に入っていたからだが、今ではどんな数字を聞いても、頭は空白である。

 

全て、パソコンにお任せである。

 

基本的な数字は、ソフトの中に入っているので、それらを覚えなくてすむ。

 

数字をパソコンに打ち込むだけで、すべて計算してくれる。

 

打ち間違うと、会計ソフトがなんか変だよと指摘してくれる。

 

 

 

 

頭の負担が減った分、性能のいい頭は、先のこと有益なことを考える。

頭の負担が減った分、性能の悪い頭は、空白部分が多くなるだけである。

 

私は空白の人になってしまった。