今日の絵ハガキ。
長瀞ライン下り。
コロナウイルスの騒ぎで、エドガー・アラン・ポーの恐怖小説を思い出した。
「赤死病の仮面」
ある国で赤死病という伝染病が発生した。
この病気にかかると、身体中が痛み、顔から血が流れて30分以内に死んでしまう。
しかし国王は、臣下の大半がこの病にかかって死ぬと、残った臣下や友人を引き連れて城砦の奥に立てこもり、疫病が入り込まないよう厳重に通路を封じてしまった。
城外で病が猛威を振るうのをよそに、王は友人たちとともに饗宴にふけり、やがて5、6ヶ月もたつとそこで仮面舞踏会を開くことを思い立った。
舞踏会は深夜まで続いたが、人々はある奇妙な仮装をした人物が舞踏会に紛れ込んでいるのに気づいた。
その人物は全身に死装束をまとい、仮面は死後硬直を模した不気味なものであり、しかもあろうことか赤死病の症状を模して、仮面にも衣装にも赤い斑点がいくつも付けられていた。
この仮装に怒り狂った王はこの謎の人物を追いたて、仮面をはぎ取ると-------
人々は恐怖の叫びをあげる。 みんな赤死病に感染したことを知った。
これは怖かったな。
そしてエイズが流行り始めた時にも、この小説を読み返した事を思い出した。
日本は先進国で唯一、エイズ患者が増加しているということだ。
日本でも最初の頃は大騒ぎだったが、感染者数の増加ペースが抑えられてきたこと、新薬の開発で、ある程度コントロールできる病になったことで、静まった。
しかし、一部のアジア諸国やアフリカ南部では恐ろしいほど蔓延しているということ、そしてほとんどの人が治療薬を買えないで死んで行く現実がある。
南アフリカはHIV感染率が最も高い国のひとつで、公式統計によると、人口5000万人のうち600万人がHIVに感染している。
これは国が滅びかねない数字だ。
人間は残酷だ。
飢餓や伝染病、環境問題、それがわが身に降りかからなければ、黙って見ていられるのだ。