箱根八里は | かもさんの山歩き

かもさんの山歩き

毎週末、山を歩いてスケッチしてます。
漫画も描きます。



今日のスケッチ。


 


山間の春。


 
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20数年前、友人の中野さんとお互いの子どもを連れて金時山に登った。


 


 


下山して、温泉に入った。


 


いい湯加減で、湯船で思わず私は歌を歌った。


 


「箱根の山は天下の嶮 函谷関もままならず」


 


中野さんが不思議そうに私を見ている。

イメージ 2
 


「蒲生さん、なにをブツブツ喋っているの。それとも、俺に話しかけているの?」


 


「箱根山の歌だよ」


 


「歌っていたのか。


 


それは失礼した。


 


でもさあ、蒲生さん歌なら節をつけないとさ。」


 


 


カラオケの時は伴奏がつくから、歌っていると分かってもらえるが、アカペラだとしゃべっているとしか思えないらしい。


 


 


私の音痴、それも上に超のつく音痴は、祖父からの隔世遺伝だと思う。


 


兄や姉は音痴だと聞いたことはないから、私だけ受け継いだようだ。


 


夏のある日、風呂からあがった祖父は、フンドシ姿のまま、籐椅子に座り涼んでいた。


 


そのうち、祖父がうめきだした。


 


気分が悪いのかとビックリしたが、どうやら歌っているようだ。


 


「万丈の山、千尋の谷」


 


そうか、俺の音痴は祖父から受け継いだか。


 


 


中学生の時である。


 


 


ところで箱根八里の歌詞のことである。


「箱根八里」


 


作曲は滝廉太郎。作詞鳥居枕


 


「箱根の山は 天下の嶮(けん)


 


函谷關(かんこくかん)も ものならず


 


萬丈(ばんじょう)の山 千仞(せんじん)の谷


前に聳(そび)へ 後方(しりへ)にささふ


雲は山を巡り 霧は谷を閉ざす」


 


 


この歌詞、おおげさではないかというのが、初めて箱根を訪れた時の感想である。


 


 


初めて箱根にきたのは登山の時ではない。


 


私にも甘い青春の思い出がある。


 


ところが、先月、山伏峠からの帰り、芦ノ湖から特急バスに乗った。


 


箱根新道を通って箱根湯本までノンストップである。


 


屏風山をまわりこむと、左下に常に箱根旧道を見ながら走る。


 
イメージ 3


そこから見ると、なるほど、箱根の山は入り組んで、渓に面して険嶽を望み、歌詞の形容が決して大げさではない。


 


あんな崖の上によくまあ、。温泉宿やホテルを建て、あんな勾配のあるところを電車を通したなと感心する。


 


箱根山の中を歩いていると、全体が見えないが、離れて見るといかに深い谷かよくわかる。


 








箱根八里