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前話
涼太は頭の片隅によぎった。
この3校のどれかを選択するということは…
いとと離れるということ。
きっといとは
行っておいでと言う。
でもきっと1人で泣く。
それが分かっていた。
俺だっていととは離れたくないのが
本音だった。
地元の西高もサッカーは強い。
そして鴻西中のみんなは西高に
行くメンバーが多い。
俺も地元に残る?
でも
これを理由に自分のしたいサッカーを
諦めることは出来なかった。
いろんな葛藤があった。
自分の答えが出るまでは
誰にもこの話をしないことを決めた。
家族とも友達とも
離れるかもしれない残りの時間を
大切に過ごしていこうと思った。
あんなにうるさかった蝉達が
姿を消した。
15歳夏…