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前話





  

母親も西田も進路のことについては

特に口を出してこなかった。



『いとちゃんの好きにしなさい。』と



それ以外は何も言ってはこなかった。




あのクリスマスの一件以来、

西田とは

最低限しか口を聞いていない。

『叩いたことは悪かった』と

西田から謝罪はあったものの

関係は悪化していった。




そして母は

『いとちゃんは

もっと西田さんに感謝しなさい』と



前にもまして

西田・西田・西田。



バスケのシューズを買ってもらった時、

バスケの試合で送迎をしてもらった時、


西田さんのおかげだよ。

ちゃんと西田さんにお礼を言って。




そんな母親にも嫌気がさしていて…

これ以上お世話になりたくなかった。



だから

西高に行ってバイトをして

早く、自立出来る準備をしようと



いとは西高の受験をすることを決めた。