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前話







さくらの木の葉っぱが

少し色をつけ始める頃…



待ちに待った。



中学生最後の体育祭が始まった。



杏とはクラスは違ったが、

今年も同じクラスの友達と

早くから学校に行き


髪を巻いたり

落書きをしたり

みんなで気合いを入れた。



もちろん今年は、

いとの腕には


涼太❤️いと の文字。




それを見た杏ー…

『いとー。私なんか泣きそうだよ。

もーう。本当よかった。

去年のことが嘘みたいだね。』と



なんだか涙ぐんでいた。




いと『もう!杏大袈裟だよー!』




そんな風に笑って答えたけど、

いとは何度も何度も

杏に救われて

杏の優しさに胸が熱くなった。



いとは

杏のことが大好きだった。